第2回 「税金と源泉徴収」
みなさんこんにちは。ファイナンシャルプランナーの北出茂です。
前回は、中国の古典「禮記」(らいき)から、「入るを量りて 出ずるを制す」という故事を引用して、「収入」と「支出」のバランスが大切だというお話をさせていただきました。
さてみなさん、ご自身の「給与明細」をご覧ください。
お給料が多い人は多いなりに、少ない人は少ないなりに、なんだかんだと天引きがされているはずです。天引きの代表的なものが、税金です。
税金をおさめることについては、たくさん働いて稼いだのに税金でとられることに不満を感じることもあるかもしれません。でも、税金を納めることで、市・県・国、という大きな範囲で社会の役に立つことができます。もちろん、税金が正しく使われることが前提ですが。
そんなわけで、今回は税金のお話です。
私たちは、国民の義務(納税の義務)として、法人(会社)は法人税を納めていますし、個人は所得税を納めています。
ところが、この税金について、自営業者や企業経営者は自分で納税しなくてはいけないので、比較的詳しいのですが、サラリーマンは「源泉徴収」(給与天引き)のためかあまり詳しくないのが現状のように思われます。
「源泉徴収」とは、給与・報酬・公的年金等の支払者が、それらを支払う際に所得税などを差し引いて、それを国に納付する制度です。
会社員は毎月会社を通して所得税が納められており、税金に関心を持とうが持つまいが、勝手に「源泉徴収」されて税金が差っ引かれてしまうのです。
今では当たり前となった感もあるこの制度、実は、大問題の制度だと知っていましたか?
そもそも、日本では、戦費を効率的に集める目的で、当時のナチス・ドイツの制度に倣い1940年4月1日に給与への源泉徴収が始まっています。
そして、世界中探してもいまだに源泉徴収制を採用しているのは日本くらいです。私の知る限り、少なくとも欧米各国では全て、確定申告制です。(もし、違っていたら教えてください。)
評論家の中には、80年以上も前に制定された源泉徴収制を日本がいまだに採用し続けていることについて、「徴税の基本方針である『取りやすく、文句を言わない、おとなしい層から税金を搾り取る』という精神が徹底しているからだ」という趣旨の解説をされる方もおられます。
税金が正しい使われ方をすれば世の中の役に立つのですが、そもそも、戦費調達目的で給与への源泉徴収が始まったように、間違った使われ方をしてしまうと、世の中全体が間違った方向に行ってしまわないとも限りません。
おかしな税金の使い方、使われ方の背景には、国民の財産が勝手に一部の政治家と一部の人たちに私物化されてしまっているという問題があったりするのです。
税金の使われ方について関心を持つ人がもっと増えてほしい。そうすれば、税金の使い道を決める時に、いい加減なことはできないはずです。
選挙の時にだけその場限りのパフォーマンスをして、耳ざわりのいい事を猛アピールして、当選したらナンダカナーな政治家、当選後もパフォーマンスだけで実際は何もしないような政治家も、少なくなるはず。
お金の使われ方について考えることは、この社会について考えることなのです。本当の意味でこの社会の事を真剣に考えて活動している人がきちんと評価される世の中にならなければ困るのです。私たちの子供達、この国の未来のために!!
だからこそ、みなさんに、もっとお金の話、金融・経済の話を聞いて欲しいし、税金の使われ方にも関心を持って欲しい。それが私のファイナンシャルプランナーとして活動する理由の一つでもあります。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
ファイナンシャルプランナー 北出 茂