なるほど、コレはヤバい。
TV放映当時、お茶の間が騒然となったというが無理もない。
というか、です。
これを夏休みの平日21時から放送していたのか、TBSは!
©TBS
ホラースプラッターをお茶の間にお届け
あらすじは、超能力だ。
可愛い少女に、不思議な力が出現する。
指も触れずに人を痛めつける能力である。
いじめてきた相手にケガをさせるなどは、序の口。
この少女にウザいと思われたら最後である。
本作は1987年のテレビドラマだ。
「魔夏少女」と書いて「まなつ少女」と読む。
21:02 - 22:54の『水曜ドラマスペシャル』で放送された。
ネットの無い時代だ。
今ならSNSが祭りになるだろう。
すでに物心つきまくりだった当方、本作を知らなかったことにも驚く。
超能力で相手をシバくといえば、少女かわいそうホラー『キャリー』(1976)を思い出す。
当時、盛り上がっていたスプラッター映画の影響も見て取れる。
少女の異変と共に、飛び散る血液も増加。
家庭の中で事態が動くので、逃げ場がない。
親子問題や夫婦問題もリアルだ。
何より、この少女が怖い。
キャストとスタッフ
©TBS
主演の小川範子の演技力にシビれる。当時14歳。スクール水着も普通に披露。大人気アイドル女優の枠だったが、あらためて実にうまい。
ママ役の原田美枝子が素晴らしい! 不安な表情に引き込まれる。
パパ役の三宅裕司がシリアス。
伊東四郎が隣人役だが、2人のコントには発展しない。
祖母役の風間章子が懐かしい。着物姿は昭和の香り。
永瀬正敏がまさかの役柄!
あの頃のTBS演出家といえば吉田秋生だった。ヒット作を連発。脚本の伴一彦とは本作と同年に、大ヒットドラマ『パパはニュースキャスター』でもコンビを組んでいる。ホラーもイケるとは、万能か。
ちなみに後年、吉田秋生は小川範子と結婚していた。そこも含めて、スゴい。
プロデュースの堀川とんこうも無双していた、まさに「ドラマのTBS」時代だ。
思いっきりのホラー描写は手加減なし
コンプライアンスなんて言葉も知らなかった時代だ。
テレビドラマだろうと容赦なく流血。
ドバーッ!である。
ジャバジャバーーーーッ!である。
バケツ何杯分の血糊を用意したのか、スタッフの苦労も伺える。
112分の作品だが、視点は多角的だ。
物語のフォーカスが移って以降が、要だろう。
本当は誰が…と考えると、なお面白い。
ラストもゾクゾクだ。
ちぶ〜さんの激推しで年末に鑑賞したのですけれど、おっしゃる通りのヤバさ。
現代では地上波放送は絶対に無理。
子どもの目にはトラウマになったかもしれない。
クリエイターがやりたいように力を発揮できた頃の、制作現場の熱気も感じる。
ただ、そんな作品をネット配信(U-NEXT)で観られる現代もまた、捨てたものではないかもしれない。
小川範子と原田美枝子の美しさも記録として残してくれた、特異なホラーは一見の価値あるのみ。
1987年8月12日放送
112分/TBS制作
演出:吉田秋生/脚本:伴一彦/音楽:小六禮次郎/プロデュース・制作:和田旭/制作:堀川とんこう/出演:小川範子、原田美枝子、三宅裕司、安達美加、風見章子、森本レオ、黒田福美、伊東四朗、菅井きん、五代高之、浅見美那、永瀬正敏
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