「この映画ではトム・クルーズに危害を加えておりません」という一文が、エンドロールに書かれる日も近い。気がします。

主演俳優への心配が尽きない、生身のアクション大活劇。

怖い、そして最高!

 

ミッション:インポッシブル デッドレコニングPART ONE

(C)2023 PARAMOUNT PICTURES.

 

 隠しようのないカリスマ・スパイ

 

あらすじは、実はちゃんとしている。

と言っては無礼千万なのですけれども、本作で7作目となる『ミッション・インポッシブル』シリーズは常に前回のストーリーを忘れている、という現象が起こりがち。

って、当方だけですか?(脳の限界)

 

今回も、常にド派手にやらかすスパイ、イーサン・ハントに新たな指令が届く。

世界を危機に陥れる、強力なITプログラム兵器。

その実在(エンティティ)を突き止めろというもの。

案の定、スパイの定義を脅かす規模の大騒動を巻き起こすイーサン。

主な舞台はイタリアである。

私事で恐縮ながら、HISイタリア・ツアー参加の経験が活きました。

あの広場であんなカーチェイスを!

と、その無謀さがよく分かって嬉しい。

 

とはいえ本作、アクション・シーンまでの待機時間が少しばかり、ある。

いつもなら冒頭でぶちかますイーサンなのに、どうした。

やはり年齢を考えると、そろそろ大人しめにシフトするのか。

先に言ってしまうのですけれども、そんな不安は杞憂。

むしろ、抑えめからの爆発力が凄まじい!

 

ローマをパニックに叩き落とす勢い。

シビれるカーチェイス。

使用車両がナイスなチョイス。

当方の父親が迷子になったベネチアの路地を駆使したりと、素敵が過ぎる。

 

しかし、いつもよりは動きが少なめな気が…

と、そんな不安は杞憂。←大事なことなので2度言いました。

 

 

 キャスト&スタッフ

 

ミッション:インポッシブル デッドレコニングPART ONE

(C)2023 PARAMOUNT PICTURES.

 

イーサン役のトム・クルーズは、もう恐怖心を失ったのではないか…と思わされるから、怖い。予告にも登場するバイクごと高所ダイブは、6回も撮影されたという。高所ジャンプの練習は1万3000回らしい。頭がおかしい(語弊あります)。

プロデュースもトム本人なので、誰も止められない。なんなら薄ら笑いながらこなす至高クオリティの危険シーンの数々、もはやサイコパス(語弊)。

 

(C)2023 PARAMOUNT PICTURES.

 

お金大好き泥棒役のヘイリー・アトウェルがユーモアいっぱい。峰不二子を思わせる。

 

ミッション:インポッシブル デッドレコニングPART ONE

(C)2023 PARAMOUNT PICTURES.

 

ホワイト・ウィドウ役のバネッサ・カービーがお人形さんみたいだなと思いきや、ユーモアいっぱい。レディ・ガガを思わせる。

 

ミッション:インポッシブル デッドレコニングPART ONE

(C)2023 PARAMOUNT PICTURES.

 

格闘女子パリス役のポム・クレメンティエフが素晴らしい! アクション時の形相が見事。刀は持っているが、カナダ・ケベック州出身の韓国系。って、この方、アベンジャーズ・シリーズの、

 

ポム・クレメンティエフ

 (C) Marvel Studios 2017

 

触覚女子(マンティス)じゃないかー!(↑右です。左じゃないです)

 

ミッション:インポッシブル デッドレコニングPART ONE

(C)2023 PARAMOUNT PICTURES.

 

ルーサー役のビング・レイムス、ベンジー役のサイモン・ペッグ(ペグ)がいてくれる嬉しさよ。友達は大事だ。

 

クリストファー・マッカリー監督『トップガン マーヴェリック』の脚本でも、大いに楽しませてくれた。本作はシリーズ中、随一のユーモア量かと思う。 強い・速い・急展開の間の良さが、たまらない。

 

ラロ・シフリンのテーマ曲が最強。あんなにテンションの上がる旋律があるだろうかぃやない。タイトルバックだけで血圧が上がる。

 

 

 アクションに憑りつかれた男

 

正直、説明セリフは多めだ。

このシーン長いなあ……と思うこともなくもない。(失礼)

が、全てを吹き飛ばすアクション・シーンの鮮やかさといったら!

このシリーズは、限界までの生身アクションが売りである。

つまり、ヒヤヒヤが止まらない。

手汗どころか、である。

背中ビッショリ。

失禁は避けられたものの、映画館のシートを湿らせてしまってすみません。

 

次々に繰り出されるハラハラが戦慄級。

なのに、笑えてしまうという熟練テクニック。

女性アクションが多いのに、MeTooやら多様性やらを考えさせない痛快さ。

もう、なーんにも考えなくていい。

この人、因縁がありそうだけど誰だっけ…?と思ったままの状態で楽しんでしまえばオーケー。

そう、これほどの長期シリーズで、初見さんにも優しい仕様なのだから驚く。

 

予告でも流れた乗り物シーンに至っては、もうやめてー!である。

凄まじい臨場感からの、こちらまでもが疲労感。

トムさんはどうしてここまで娯楽に命を賭けられるんだろうと、しばし呆然となり。

エンドロールを眺めていて、気づく。

とんでもないスタッフ数である。

当たり前だけれども、人力で作られた映画である。

トムさんはいわば、株式会社ミッション・インポッシブルの社長だ。

何千人もの生活を担っているのである。

 

劇中、イーサンは人々を守るために奔走する。

良い人そうに見える。

だが、敵を見つけたら即、殺害。

話し合い、そんな言葉はここには無い。

危険を潜り抜け、どこかに頭のネジを落としてきたから出来ることがある。(語弊)

 

しかも、です。

ストーリーのアイデアが面白い。

世界的な危機なのに、彼らが追っているのは掌に載ってしまうサイズのある品物。

だから、早く続きが観たい。

鑑賞前には、PART ONEって!と、ブーブー言っていた連作が苦手な当方も、待ちかねてしまうエンターテイメント。

この興奮を忘れてしまう前に、急いでトムさんには駆けつけていただきたい。

 

タイトルの「デッドレコニング(Dead Reckoning)」は「推測航法」の意味で、航行した経路や進んだ距離、起点、偏流などから過去や現在の位置を推定し、その位置情報をもとにして行う航法のことを指す。(映画.com

 

 

 

 

 

2023年製作/164分/G/アメリカ
原題:Mission: Impossible - Dead Reckoning Part One

監督・脚本・製作:クリストファー・マッカリー/脚本:エリック・ジェンドレセン/製作:トム・クルーズ/原作:ブルース・ゲラー/撮影:フレイザー・タガート/美術:ゲイリー・フリーマン/衣装:ジル・テイラー/編集:エディ・ハミルトン/音楽:ローン・バルフェ/テーマ曲:ラロ・シフリン/出演:トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ビング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、バネッサ・カービー、イーサイ・モラレス、ポム・クレメンティエフ、ヘンリー・ツェーニー

※読んでいただいてありがとうございます。情報に誤りがありましたらご一報いただけたら幸いです。

カチンコスクリーン

 

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