え、面白くないですか、これ…

映画サイトの低評価をよそに、だいぶハマってしまいましたので。

原作未読派につき、褒めちぎらせてください。

 

カラダ探し

(C)2022「カラダ探し」製作委員会

 

 

カラダを探せ、ダメなら即death

 

あらすじは、アオハルである。

ぼっちの女子高生明日香はある夜、バケモノに追われる夢を見る。

真夜中の学校で、クラスメイトと共に「赤い人」に惨たらしく殺されてしまう夢だ。

目覚めてホッとしたのも束の間、明日香は気づいた。

今日が、昨日と全く同じ日だということに。

しかもクラスメイトたちも同じ体験をしていたから、つらい。

夢じゃなかったんか…と、絶望。

 

謎の呪いゲームがスタートしていたわけである。

あるモノを集めなければならないらしい。

集められなければ、死が待つ。

その課題が終了するまで、また同じ日を繰り返すことになる。

何度でも何日でも、やり直す羽目になる。

なんという悪夢ですか。

 

これは大人気定番、同じ1日を繰り返す=タイムリープ映画だ。

オカルト・デスゲームに選ばれてしまった高校生の、生き残りをかけた闘いである。

彼らは親しくもない。

けれど否応なく、協力し合わなければならない。

バラバラだった彼らが目標を共有する。

その時間がキラッキラ!

ザ・青春!

光る海でキャッキャである。

夜には一転、血みどろになるというのに。

 

ホラー映画なのだ、けれど、猛烈な清涼感。

まるで、レモンサワーの後味じゃないか!(たとえに難あります)

 

 

キャストとスタッフ

 

カラダ探し

(C)2022「カラダ探し」製作委員会

 

明日香役は橋本環奈さんなので素晴らしい。『セーラー服と機関銃 -卒業-』でも実証したように、重めの武器系を持たせたら輝く人。

 

眞栄田郷敦に恋しそうになるから要注意だ。実父・千葉真一譲りの色気たっぷり。

 

山本舞香が絵に描いたような陽キャなのに寂しさも装填で、とても良い。

 

醍醐虎汰朗がメガネ程度では隠し切れないイケメン。陰キャ役がドハマり。新海誠監督の『天気の子』では帆高くんでしたか!

 

神尾楓珠が引きこもり役という、切なさ。

 

横田真悠が可愛らしい。

 

柄本佑西田尚美が短い出番で映画を引き締める役割。

 

小説投稿サイト『エブリスタ』で人気となり、漫画にもなったウェルザードの原作を映画化。かなり改変されているとのこと。原作派に受け入れられなかったのは、そのためだろう。(後述します)

 

 

羽住英一郎監督は『海猿』シリーズの作り手なので、エンタメがお得意。ドカーンと来てバリバリバリッと剥がして暴れて、血もブシャーッの数秒後に、まぶしい青春劇である。そんな落差をすんなり観せてくれるから、手品のよう。

 

椎名林檎作詞作曲のAdo歌唱『行方知らず』が本作の主題歌だったと知って、驚く。

 

 

ヒリヒリ血みどろとエンジョイ青春の高低差

 

6人は毎晩、殺される。

夜は生死、昼は恋。

闇と光の落差にクラクラする。

体力のある高校生だから出来るワザだろう。

もしも自分が…と置き換えると、ゾッとする。

中年にはキツい。グルコサミンが必要だ。

 

校舎内アクションも良いのだ。

キレッキレである。

敵の造形もゾワゾワ。

6人の格闘もそれぞれ、ぶっ飛ばされ系。

彼らのヤラレっぷりに目をみはる。

バケモノが体感として、4倍速なのである。

無闇に速いものは、とにかく怖いと実感した。

音響効果もあいまって、いちいち痛そうだ。

 

殺されたら同じ日の朝に戻るパターンは、ハリウッドの傑作コメディホラー『ハッピー・デス・デイ』にダブる。

が、こちらにはこちらのアイデアが搭載。

恐怖の加速度もグングン。

CGの過度な使用も見られず、嬉しい。


死というバッドエンドから逃れ続ける彼らを、応援する仕掛けがいっぱい。

眺めるうちに力が入って、鑑賞後はグッタリだ。

ドキドキも、胸キュンも、ハラハラも続く。

そして、幼なじみ恋物語はやはり鉄板ですね。きゅんきゅん。(キモい)

 

 

あのラストカットについてネタバレで

 

ここから先はネタバレしております

 

 

ネタバレあります!

 

 

ネタバレご注意です

 

 

 

エンドロール後に、井戸の中の新聞にフォーカスしていくワンカットが意味不明で大混乱してしまったのですけれども。赤い人の写真が変わっていくという、あのシーンです。検索しましたところ…原作では、最後にカラダを完成させた者は呪いを受けて次の犠牲者になる、という設定があるのですね。

なるほど。

 

映画内では説明が省かれていたので、ポカーン。え、どうした?どうした?とオロオロしたババア(当方)。唐突な謎の置き去り、イケズすぎる。

 

本編内で触れていないのならば、不要な気もしたり。原作の重要なシークエンスならば必要な気もしたり。そもそも、その辺りのルールやキャラクター、展開の改変が原作派には大不評だったようで。その一方で、モンスターに食べられてしまったら存在を消される、というルールは映画独自とのこと。

なるほど。

 

原作モノの改変OK派ですけれども、今回はオリジナルが読みたくなってまいりました。読みます。

 

 

 

 

 

2022年製作/102分/PG12/日本
配給:ワーナー・ブラザース映画

監督:羽住英一郎/原作:ウェルザード/脚本:土屋温美/企画プロデュース:原祐樹/プロデューサー:古谷厚/撮影:一坪悠介/照明:浜田研一/録音:小林圭一/美術プロデューサー:大山大次郎/美術:小坂健太郎/装飾:小林宙央/衣装:池田友紀/ヘアメイク:宮本奈々/特殊造形:梅沢壮一/VFXプロデューサー:長井由美/特機:佐藤雄大/操演:宇田川幸夫/編集:金田昌吉/音響効果:柴崎憲治/音楽:菅野祐悟/主題歌:Ado/挿入歌:Chinozo/出演:橋本環奈、眞栄田郷敦、山本舞香、神尾楓珠、醍醐虎汰朗、横田真悠、西田尚美、柄本佑

※読んでいただいてありがとうございます。情報に誤りがありましたらご一報いただけたら幸いです。(敬称略です)

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