ぐったりである。

映画を観て精魂尽き果てたのは初めて。

これが呪いの怖さか。

眺めているだけでこんなに疲れるなんて…!

 

呪詛

Netflix『呪詛』

 

話題のホラーは気味が悪い

 

「呪詛」と書いて「じゅそ」と読む。

Netflix配信オンリーの、話題の呪い系ホラーである。

めっぽう怖いという噂だ。

ワクワクして観始めたわけですが、ずーーーっと体が緊張しっぱなし。

 

あらすじは、母性愛に包まれている。

6年前に「見てはいけないもの」を見てしまったシングル・マザー。

自分が受けた呪いが我が子にも及ぶことを恐れて、娘を里子に出していた。

しかし、やはり一緒に暮らしたい。

娘を引き取り、家に連れ帰った夜から怪奇現象が起こり始める。

 

ファウンド・フッテージというジャンルがある。

ドキュメンタリー風味で作られた作品をモキュメンタリーと呼ぶが、その一種。

事件現場に残されていた映像、という設定だ。

母親が撮った娘の映像。

監視カメラ。

過去の記録。

そういうものが次々に現れて、怪奇ストーリーを紡いでいく。

 

問題の怪異はバンバンやって来る。

勢い&勢い。

怖がらせも多種多彩だ。

これが洋物ホラーであれば、最初から元気でよろしい!などとホクホクで楽しんでいられるのだけれど。

何しろ、台湾である。

生活風景が日本に似ている。

呪いの形や宗教観も近しい。

呪文やお祓いや呪術がリアルすぎて、早めにクラックラしてくる。

 

一言で言えば、気味が悪い。

そして、おぞましい。

あ…二言になってしまって恐縮です。

特に読経系は根源的にゾワゾワするので、やめていただけませんか。(涙目)

 

 

キャストとスタッフ

 

母親役のツァイ・ガンユエンが良い! 不安に怯えながらも娘を守ろうとする母親の、弱さも表現。日本の美女優・夏帆に似ていて親近感。

 

里親役ガオ・インシュアンが、ほどよいイケメン。幼い女子の里親に独身男性が選ばれる仕組みが不明ながら、映画としては必要なキャラクターだろう。

 

娘役ホアン・シンティンの魅力に憑りつかれるから注意したい。2015年生まれなので、撮影当時は5歳か6歳か…! 芦田愛菜プロ級の天才子役では。

 

呪詛

Netflix『呪詛』

 

監督・共同脚本・製作も兼ねるケビン・コー監督は、ものすっごいイジワルな人なのではないか。(最高の褒め) 観客をこんなに不安がらせなくてもよかろう! 日本のホラーが大好きということで、嬉しい。映画体力も相当とお見受けする。

 

音響や音楽がまた、イヤ~な雰囲気を盛り上げまくり。音の強弱も駆使してくるので、イヤフォン鑑賞の方はご注意を。

 

 

恐怖心には地域性が重要

 

家庭用ビデオで撮ってますというPOV(主観撮影)場面が多いわりに、見やすい。

呪いのテーマといい、白石晃士監督作品に近いだろうか。

驚かせもたっぷり。

野菜に虫が付くくらいなら農薬を使ってくれないか、とお願いしたいくらいウネウネ系が嫌いな当方にはツライ場面も多め。

実は、アクションも多めである。

演出も舞台装置も派手だ。

 

オチは見えるものの、むしろ、見えるから嫌悪が高まるとも言える。

映画が配信時代に突入したからこそ、効果的なアイデア。

次々に恐ろしい事象が起こり、観ているこちらも体力を使う。

やはり洋物より、胸に来る。

マンション内の風景だけで、もうイヤ。

田舎の風景にしても日常とダブるから、生々しさがひとしおだ。

 

行ってはいけないと言われる場所には行くな、とか。

YouTubeで組む友人は選んだ方がいい、とか。

実用的な教訓もいっぱい。

ただ、もう観たくないタイプである。(震え)

 

そういえば、女性が標的にされるのに不快さがなかった。

娘を思って必死になる母親の姿が、心を打つ。

大好評を受けて、本作の続編も決定したという。

またあんな過酷な時間を過ごすかと思うと…待ちきれません。(ドM)

 

 

ネタバレで元ネタの実話について

 

↓ここからネタバレしております!

 

 

ネタバレあります

 

 

ネタバレしておりますので未見の方はお気をつけください

 

 

2005年、台湾の高雄市で起きた実話が元ネタなのだそう。6人家族の子ども達がそれぞれに神が憑依したと言い始め、互いに攻撃を始めたのだという。悪霊のせいだと考えた父親はお祓いにも連れていくが、好転せず。やがて、長女が亡くなってしまった。家族は遺棄致死罪に問われたが、治療の結果、精神異常なしと判断され、無罪にもなったという事件。

 

映画は事実そのものの映画化ではなく、アイデアの元になったとのこと。こちらのページが詳しいです。↓

 

また、エンドロールで流れる「In Memory of Black Nose」(ブラック・ノーズに捧げる)は、監督の亡くなった愛犬に対してだと知りました。やさしい。

 

 

 

2022年製作/111分/台湾
原題:咒/Incantation

監督・共同脚本・製作:ケビン・コー、共同脚本:チャン・ジャウェイ、出演:ツァイ・ガンユエン、ホアン・シンティン、ガオ・インシュアン、ショーン・リン

カチンコNetflix

※情報に誤りがありましたらご一報いただけたら幸いです。

 

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