ゴジラ映画の13作目。
新怪獣メガロが登場。
そして新怪じゅ…違う、ウルトラマ…違う、ヒー…ロー…?も、登場。
正直ワケが分からないのですけれど、時代を感じる。
そう、ジェット・ジャガーだ。…誰?
怪獣+ロボット+カーチェイス
あらすじは、こうだ。
海底に暮らす不遇な人々は、海洋核実験で被害を被っている。
一気逆転を狙う彼らは、人間に復讐を目論んだ。
そのために段取りをしなければと、ロボット研究者の家に忍び込むのだが。
…と、ゴジラとは関係ないまま、物語は進む。
こちらは怪獣を待っているのに、始まるのはカーチェイスだ。
ぃや、いいけれども。
見ごたえはあるけれども。
おそらく、ウルトラマンと仮面ライダーとカーアクションが流行った時代なのだろう。
新顔のジェット・ジャガーはロボットだ。
当然、空を飛ぶ。
それだけではない特色があり、まさにウルトラマン風。
ムー大陸やレムリア大陸といった、雑誌ムー的な幻の大陸も話題になった頃だ。
流行りものがごっそり入っている。
やはり、娯楽映画は時代を取り入れてこそ。
その代わり、怪獣の印象は薄め。
刃物怪獣ガイガンも出ているというのに、両立するって難しい。
キャストとスタッフ
ロボット研究者役は佐々木勝彦だが、若い。千秋実のご子息である。改めて驚く。
レーサー役の林ゆたかがイケメン。現代ならば、ライダー俳優になってママさん達に人気爆発しただろう。実兄がりんたろう監督と知って驚き、元妻が奈美悦子だったと知って顎が外れた。
新怪獣メガロは虫好きは悶絶必至の昆虫怪獣。色味は地味。
特殊技術の中野昭慶は、ダムのシーンが素晴らしい! メガロが大暴れ。大迫力。
子門真人の歌が流れるが、なんと空前の大ヒット曲『およげたいやきくん』は本作の2年後であった…! 時代を先取りまでしていたとは、唸る。
福田純監督は、ついに脚本も兼任。不遜で恐縮ながら、福田イズムが極まっている。勢いで走り抜ける『新幹線大爆破』の佐藤純彌監督に近い。
キッズへの訴求力は高め
「東宝チャンピオンまつり」の1本として上映された、キッズ向けの娯楽作だ。
当方、ここまで昭和ゴジラをイッキ観してきて気づいたのですけれど。
ゴジラシリーズは、大人向けと子ども向けのターンが交互にやって来る。
本作は子ども向けだ。
違いは分かりやすい。
メインキャストに子役さんがいたら、それは子ども向けだ。
そのためか、ここには可愛い女性が登場しない。
可愛くない女性さえ出てこない。(ダメ発言
集団シーンは過去作の使いまわ…ぃや、リサイクル使用だ。
キャストも少ない。
敵は誰だったっけ…?と、忘れがちになる存在感の薄さ。
予算がさらに削られたのだろうと、心配になる仕上がりである。
この頃にはすっかり、ゴジラたち怪獣は怪獣島でのんびり生活だ。
FIRE(Financial Independence Retire Early)状態、つまり、早期引退、アーリー・リタイアである。
なのに、人間に都合の良い扱いをされるものだから、気の毒。
文句も言わないゴジラが健気だ。
殊に、今回のゴジラは瞳がつぶらである。
まるでカラコンを入れているかのよう。
ただし、当時の男子にはジェット・ジャガーは人気だったと家族に聞いた。
おもちゃ戦略としても有効だった模様だ。
そうだ、なるほど、これはチャンピオンまつりなのだった。
1973年製作/82分/日本
配給:東宝
監督・脚本:福田純、特殊技術:中野昭慶、原作:関沢新一、製作:田中友幸、撮影:逢沢譲、特技撮影:富岡素敬、造形:安丸信行、小林知己、音楽:真鍋理一郎、出演:佐々木勝彦、川瀬裕之、林ゆたか、ロバート・ダンハム、冨田浩太郎、大月ウルフ
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