本当にあった怪異現象を映画化。
1991年にスペイン警察が史上初めて超常現象を認めたという、いわくつきだ。
(C)2017 Apache Films / Expediente la Pelicula A.I.E.Todos los derechos reservados.
警察の報告書を基に作られた映画
「エクリプス」とは「日食」という意味である。
事件はマドリードで起こった。
冒頭でその説明があるのだが、設定なのだとばかり。
だから、実際の事件だと気づいた時には、軽くひっくり返った。
これが現実に…?
ぃやいや、どこからどこまでが真実なのかと考えるとチビりそうです。
物語は、降霊術遊びのウィジャボードが発端だ。
亡くなった肉親に会いたくて、ボード遊びに手を出した少女たち。
だが、途中でコインから手を離してしまい…
恐怖に見舞われることになる。
日本の「こっくりさん」と同じパターンだ。
ちなみに、こっくりさんは西洋から入ってきたもの。
1885年(明治18年)から2年間に日本で大流行したらしい。
若年層がその神秘性に惹かれるのも、洋の東西を問わずである。
映画の主役は女子高校生。
シングルマザー家庭で、弟妹の面倒をよく見るJK。
ママは遅くまで働いている。
家にはほとんど子どもしかいない。
親の居ぬ間に悪さをしたい悪魔的な何かにとって、大チャンス。
キャスト&スタッフ
JK役のサンドラ・エスカセナが大変な美人。こんな女子高生は大人にとって危険だ。体力的に消耗する役をこなす女優魂。
弟役のイバン・チャベロが可愛い。
母親役がアナ・トレントなのだが、え、待ってください…
『ミツバチのささやき』で世界を魅了した、あのアナちゃんじゃないですかーー!!!(絶叫) 仕事と子育てで疲れがちのママ役である。この事実がいちばんビックリしたかもしれない。
パコ・プラサ監督は手持ちカメラ絶叫ホラー『REC レック』シリーズで大人気。家屋内の阿鼻叫喚が果てしない。闇を使う達人だ。
子役が心配になるほどの怪奇現象
分かりやすい心霊攻撃が加速度的に展開していく。
ずっとゾワゾワと不穏。
かと思うと、ビクッと驚かされるので気が抜けない。
しかも、被害者は子どもたちである。
みんな、熱演。
本当にかわいそう。
心霊現象に苛まれるのが大人ではない時点で、かなりの必死さが生まれる。
無防備な存在が危険度MAXな目に遭うのだから。
おまけに、海外の怪異は行動が派手だ。
ここにいるよ的な青山テルマ的な、そっと佇むオバケがメインの日本に比べて自己アピールが極まる。
見て見てー!こんなんできるんだぜーー!と大声で叫んでいるよう。
終盤にかけての展開は、さすがだ。
思わず、子どもたちを全力で応援。
現場がアパートの一室というのが、恐怖を増幅させる。
シンプルに、怖い。
それにしても、これが実話ベースとは信じがたい超絶展開である。
真実なのか調べてみましたところ…
↓ここからネタバレします!
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実際に何が起こっていたのか
この女子高生は、てんかんを患っていたとの証言があるようだ。(→Wikipedia参照)
古くから西洋で悪魔憑きとして対応処理されてきたケースの中には、この病による発作の疑いのある人々が多くいる。
例えば、傑作ホラー『エクソシスト』もそうだ。
誤解してはならないのは病気を患う方々が皆、悪魔に取り憑かれたような症状を見せるわけではない。
重要なのは、オカルトとして片づけてしまうのは安直だということだ。
もしかしたら本作のケースも原因は脳の疾患であり、彼女は適切な治療を受けられたはずなのに、ということだろう。
このような状態や症例は、本人はもちろん、家族や周囲の人も苦しめる。
現代では少しずつ病気への理解や周知が進んできていることが、救いかもしれない。
2017年製作/106分/スペイン
原題:Veronica
監督:パコ・プラサ、脚本:フェルナンド・ナバーロ/パコ・プラサ、撮影:パブロ・ロッソ、出演:サンドラ・エスカセナ、クラウディア・プレイサー、ブルーナ・ゴンザレス、イバン・チャベロ、アナ・トレント
Netflix
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