音を立てたら、ヤツらが来る。

凄まじい速さでやって来て、あっという間に殺される。

当方のような、毎日ヨボヨボどこかしらにぶつかりまくりの粗忽者には最恐のシチュエーション。

 

クワイエット・プレイス

(C)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

 

 

音を立ててはいけない過酷さ 

 

主役は一組の家族。

生き続けるために、とにかく息をひそめて暮らさなければならない。

彼らは手話で会話をし、裸足で歩き、常に神経を張り巡らせている。

人間vs耳の良いヤツらの戦いだ。

気を抜けば殺される。

 

緊張感がみなぎるわけだ。

観ているこちらも、手に汗握るわけだ。

戦争中の灯火管制にも似て、人間的な生活を奪われた日々。

敵の正体も分からない。

映画全体が張り詰める。

 

という状況で公開当時、劇場鑑賞していたのですけれども…いきなり、ここから私事の思い出話に入りまして恐縮です…隣席の女子高生たちが「こわッ…」「え、まじで?」と感情を全て声に出してしまう癖をお持ちだったんです…声を出してはいけない映画で、ずっとお喋りするお茶目さん…ついに、当方(失禁系ババア)、ご注意申し上げてしまったのですが、そんな当方に驚いてJKさん、「ひぃっ!」と軽く叫ばれました…あちらにとっても、怖かったんだろうと思います…ごめんなさい…劇場鑑賞には思い出が生まれますよね…(そんな思い出いらなかった説

 

それはさておき。

本作、登場人物たちがほとんど声を発することができない映画である。

この試みが素晴らしい。

 

 

キャスト&スタッフ 

 

ママ役のエミリー・ブラントが美しくもたくましい母親像。『オール・ユー・ニード・イズ・キル』でも見られた、体力発揮シーンの敏捷さが良い。

 

娘役のミリセント・シモンズが光る。ご本人も聴覚障害を持つ子役さん。演技能力、高すぎませんか… (震え

 

ジョン・クラシンスキー監督がパパ役も担当、製作総指揮・脚本も務めているとはなんという才人! 実生活でもエミリー・ブラントの夫。羨ましい。お顔立ちは地味。だからこそ生まれるリアルだろう。

 

製作は、みんな大好き爆破男マイケル・ベイ監督だ。エンタメを次々に繰り出してくれて、感謝しかない。

 

 

これはまさしく戦争だ 

 

家族だから、それぞれがそれぞれに抱えるものがある。

各人が成長もし、変化もしていく。

危険を呼び寄せる確率も格段に上がる。

その中で、知恵を絞りながら力を合わせて生きる姿に、共感が生まれる。

 

SFでありホラーでありアクションなのだけれど、極めてヒューマンな作品だ。

ある日突然、危険なヤツらに襲来されて悲劇が生まれる。

生き残った者は、逃げ隠れしなければならない。

まさに、侵略戦争と同じである。

 

声が少ない分、音楽が雄弁。

アカデミー賞にノミネートされた音響も、凄まじい。

疾走する家族の必死さも痛いほどに伝わってくる。

自然の美しさも印象的。

ハラハラとして、無暗に鼓動が高まっていく。

耳の良いヤツらとどう戦うのか、顛末も見事であった。

 

さて、昨年2021年には見事な続編も完成した。

そちらを鑑賞したので、記事にしていなかった本作も記録しておこうとアマプラで再鑑賞しているのですが…

やっぱりこれ…面白いですね…(小声で

 

 

 

2018年製作/90分/G/アメリカ
原題:A Quiet Place

監督・脚本・製作総指揮:ジョン・クラシンスキー、製作:マイケル・ベイ、アンドリュー・フォーム、ブラッド・フラー、脚本:ブライアン・ウッズ、スコット・ベック、撮影:シャルロッテ・ブルース・クリステンセン、出演:エミリー・ブラント、ジョン・クラシンスキー、ミリセント・シモンズ、ノア・ジュプ、ケイド・ウッドワード、レオン・ラッサム

カチンコスクリーン(2018公開当時)+AmazonPrime再鑑賞

※情報に誤りがありましたらご一報いただけたら幸いです。

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