心霊スポット突撃ユーチューバーの一行が、恐怖に叩き落される韓国映画。
肝試しYouTube動画ばかり観ているババア(当方)には、たまらない。
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ネット動画で一儲けしたい集団
韓国で大ヒットしたホラーだ。
心霊スポット+ネット配信という今時感が満載。
昨今、ネットのライブ配信は金になる。
中でも、心霊スポット突撃は人気コンテンツ。
一攫千金を目指して、韓国の若者が集うのだ。
美男美女である。
キャッキャしており、なかなか現地にたどり着かない。
頼む、現場の玄関から話を始めてくれないか。
だが、こういうキャピキャピ(死語)が後から効いてくるわけだ。
案の定である。
浮かれた若気の至りが返り討ちに遭う様子は、清々しいほど。
絶叫である。
阿鼻叫喚である。
マイカメラ映像ゆえに、リアリズムしかない。
自分がそこにいるような息苦しさである。
今作は、実際の韓国の2つの有名心霊スポット「コンジアム精神病院」と、釜山の廃坑寄宿舎でロケされた。
恐怖エピソードは、コンジアム病院における実話。
つまり、リアル肝試し撮影である。
そんなヤバい廃墟で数多の撮影隊が働いていたのかと思うと、同情・・・ぃや、盛り上がりもひとしおだ。
スタッフ&キャスト
チョン・ボムシク監督は大仰な映画的効果を排して、大成功。映画冒頭の少年2人は、監督の息子と甥っ子とのこと。
キャストが皆、ルックスも芝居もとても良いので人気俳優かと思いきや、無名を集めたらしい。韓国映画界の裾野の広さよ。なお、役名は俳優女優本人たちの実名。
フェイクドキュメンタリーなので、俳優に装着されたカメラやiPhoneでの撮影がほとんど。画面は大いに揺れるのだが、画面酔いが少ない。
これは、編集の上手さによるところが大きいだろう。
7週間の撮影に対して、編集作業は13ヶ月だったそう。
この手間が、あの緩急を生む。
素晴らしい手間のかけ方!
心霊オールスター感謝祭
恐怖パターンは、先輩ホラー映画の描写を全部持ってきました状態。
まるで、お祭りのよう。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を筆頭に、日米ホラー映画オマージュの連打とでも言おうか。
それでいて韓国らしい、しつこさが効果を上げている。
視覚聴覚に恐怖攻撃を繰り出してくるのだが、主に何が怖いかといって、キャストの芝居だろう。
ザ・リアル。
わめき合いも本気。
女子が勝ち気というのも、良い。
中盤からの勢いは相当。
勢いだけでは終わらせない。
ちゃんと気持ち悪い。
笑わせシーンは、ちゃんと笑える。
そう、実にちゃんとしている。これは、ホラーにおいて重要だ。
そうして、すぐにまたリピート鑑賞してしまったババアがここに。
はい、このホラーは(当方的に)とても優秀。
↓この先、ネタバレあります
↓ネタバレ注意です
エンドロールの終わりに男性がカチンコを持つ映像が流れて、「映画人チョン・ウシクに追悼の意を表して」という一文が現れる。
恐怖演出かとも思ったが、そうではなかった。
チョン・ボムシク監督の実の弟チョン・ウシクさんなのだそう。
今作の撮影前から患っていて、撮影中に敗血症で亡くなられたという。
心よりご冥福をお祈りします。
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※当記事は個人の感想でございます。情報に誤りがございましたらご一報いただけますと幸いです。
2018年/94分/韓国
곤지암Gonjiam: Haunted Asylum
監督・脚本:チョン・ボムシク、編集:キム・ヒョンジュ、出演キャスト:イ・スンウク、ウィ・ハジュン、パク・ジヒョン、パク・ソンフン、オ・アヨン、ムン・イェウォン、ユ・ジェユン
色んな映画を観ています↓ブログ内の記事索引です。