本来は、何を言ってもネタバレになる系だ。

当方のように情報を入れずにご覧になると、当方のように楽しめて、当方のように事前にトイレに行ったのに失禁できるのでオススメです。
と言いつつ、語りたくなるコワ面白さ。
これは凄い。

 

ジェーン・ドゥの解剖

(C)2016 Autopsy Distribution, LLC. All Rights Reserved

恐怖の一夜に起こったこと

身元不明の美女の死体。

不可解な遺体の状況。

死因究明の解剖中に巻き起こる不可思議な現象。
解剖するのは、検死官の父と助手の息子。
彼らは3代続く検死稼業。
遺体安置所で死体と過ごす、恐怖の夜。
 
比喩ではなく、手汗がびっしょりになったので驚く。
襲い来る恐怖に体が硬直。
鑑賞前にトイレに行っていなかったら大惨事になっていた。
ありがとう、自分。
 
検死解剖なので、臓器が続々と登場。
そちら系が苦手な方にはお帰りいただくしかないのが、苦渋でならない。
ナゼなら、稀に見る傑作ホラーである。
欧米的なのに、怖い。
根源的な不安に襲われ、大いに心臓を揺さぶられる。

スタッフ&キャスト

当方激推しの『トロール・ハンター』で世に出たアンドレ・ウーブレダル監督の2作目なのだが、評判通り! なんという手腕! 
全てが完璧。前作に続いて、オジサン使いの素晴らしさといったら。
 
そのオジサン枠、父親役のブライアン・コックスが実に良い。腹の出方も完璧。
 
息子役のエミール・ハーシュは子役からのベテラン。あちこちで観ているらしいのだけれど、今回の印象深さは格別。
 
そして何よりジェーン・ドゥ役、つまり、遺体役オルウェン・ケリーが麗しい!
モデル出身との事で、身動きしないことに慣れている気配ではあるものの。顔や全身の筋肉痛が心配。
 
警官役のマイケル・マケルハットンは少ない出番だが味がある。
 
安置所の美術装置が冷たさと温もりの混在で、親子の歴史を表して見事。
 
ジェーン・ドゥのスタントとも言うべき特殊製作も髪の毛1本に至るまで、とても繊細だ。

禁忌の体をご覧あれ

本編の主役は遺体である。
その美しさは、「世界一美しい死体」と呼ばれる『ツイン・ピークス』と同列。
「ジェーン・ドゥ」とは、身元不明遺体の女性を呼ぶ仮名だ。
男性ならば、「ジョン・ドゥ」。
 
そこから生まれるゾワゾワが、日本の戦慄に近いのである。
生物としての本能に語りかけてくるのである。
あ、これは触ってはいけないものだ、ということが分かる。
かくして、怖がらせの作戦に全部ハマってしまってガタガタ震える羽目に。
監督、天才ですか。
たぶん、そう。
 
何が優れているかといって、従来であれば、動かすのである。
ところが、今作は動かさない。
核心を動かさずして事態を動かす、という点に勝るものはない。
 
観客の想像力も動員して、静寂と勢いで畳み掛ける。
と思いきや、聴覚も刺激してくるから始末に悪い。
ビクゥッ!である。
こっわ!である。
チビる。
サイコパスが作ったエンターテイメントのような。
ああ、観ちゃいけない物を見てしまった。
 
なのに、またすぐにリピートしたい。
私事ながら、当方の人生ベスト100に入りました。
世の中にはこういう傑作を作る人間がいるのだなと、背筋が凍る。
 

 

カチンコNetflix

※当記事は個人の感想でございます。情報に誤りがございましたらご一報いただけますと幸いです。

 

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2016年/86分/イギリス
The Autopsy of Jane Doe

監督:アンドレ・ウーブレダル、脚本:イアン・ゴールドバーグ、リチャード・ナイン、撮影:ロマン・オーシン、美術:マシュー・ガント、出演キャスト:エミール・ハーシュ、ブライアン・コックス、オルウェン・ケリー、オフィリア・ラビボンド、マイケル・マケルハットン

 

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