ハニートラップという仕事
期待を超えた面白さではないか。
ロシアである。
夢を奪われた女性がスパイとして再生するのである。
自ら、ではなく、無理矢理、だ。
序盤、中学生男子もしくは爺さんの妄想にも似たエロシーンが度々、登場。
思ったのと違う…と、大いに狼狽えた。
下ネタ映画なのか…と、得したような、損したような気持ちに。
なるほど、R15指定なわけだ。
15歳以下にはエロ的にもバイオレンス的にも、刺激が強い。
主演はアカデミー賞女優、ジェニファー・ローレンスなのである。
ジェニファーともあろう人が、どうして今作を選んだのかと驚いた。
ところが中盤から、メキメキと面白さが加速する。
目がクギヅケ。
寝る暇、無し。
色仕掛け=ハニートラップ要員として訓練を受け、ハニートラップ嬢として任務を課せられる女性だ。
序盤の痛々しさあっての、後半。
ハラショー!である。
スパイとセクハラの即時性
ロシアという国に対して、言いたい放題の映画でもある。
イギリスで、ロシアの元スパイ殺害事件も起こったばかり。
その余波も続いている中、タイムリーな筋立てだ。
冷戦が終わって米露のスパイ合戦は沈静化したように見えて、そうではない現実にも即している。
もちろん、今作の一番の魅力はジェニファー・ローレンスだろう!
ジェニファー嬢は以前、自分の携帯写真データをハッキングされ、全裸画像が世界にバラまかれた。
ご本人は、これを性犯罪と呼んで糾弾している。
そんな過去が、今作参加への契機になっているかもしれない。
女性が性を利用されるストーリーは、昨今のセクハラ被害を告発する #Me Too 運動に通じるテーマ。
その暴力性は、人権への殺人だという視点。
女性男性に限らず、性が搾取される世界を明らかにしてもいる。
スパイの哀愁。
エンターテイメントを纏った、告発。
性につきまとう悲哀。
過酷な中にあって、あのラストシーンは尚のこと、好きであった。
キャストとスタッフ
ジェニファー・ローレンスは人気、実力ともに若手女優で抜きんでているかと思う。
今回はまさに、体当たり。脱いで、泣いて、血みどろ。
小顔で肉付きも美しく、派手な顔立ちではない絶妙なバランス。
叔父役のマティアス・スーナールツはベルギー人ながらプーチン大統領に激似であり、ナイスなキャスティング。
『リリーのすべて』に次いで、あまりのカッコよさに失神。
CIA捜査官役のジョエル・エガートンが、いい!
スパイであるのに邪念が無いように見える。良い男。
ロシア高官役にジェレミー・アイアンズがいて、過剰にセクシー。
年を重ねてピークを迎える俳優は多いけれど、この人はずっと、ピーク。ずっと、中年。
訓練学校教官がSMの権化シャーロット・ランプリングなので、登場からしてもう怖い。
ブタペストのロケが美しい。
水着はあまりにもセクシーダイナマイツなので、少し笑う。
が、各シーンの衣装は麗しい。
フランシス・ローレンス監督は長尺を飽きさせない。
というか、です。140分もあったとは!
細部への美術のこだわりが目の保養で、アクションもエグい。
騒々しさは皆無ながら、各種の見せ場は切れ味ある迫力だ。
(おまけ)監督のPV仕事
フランシス・ローレンス監督はレディ・ガガのプロモーションビデオも手掛けているのですけれど、今作に繋がる色々が含まれていました。お時間ありましたら、よかったら↓(注:画面クリックで動画が流れます)
スクリーン
RED SPARROW
2017年・アメリカ
監督:フランシス・ローレンス
脚本:ジャスティン・ヘイス
原作:ジェイソン・マシューズ
出演キャスト:ジェニファー・ローレンス、ジョエル・エガートン、マティアス・スーナールツ、シャーロット・ランプリング、メアリー=ルイーズ・パーカー、ジェレミー・アイアンズ
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