狂った野獣

 

カッコイイじゃないですか。

このポスターですよ。

スタイリッシュじゃないですか。

若者が犯罪に暴走するんだろうなと思うでしょう?

 

しかも、バスジャック。カーチェイスなのだから。

逃げる犯罪者がバスを占拠。

そのバスにはもう一人、犯罪者が乗っていて。

 

ああ、面白そう!

普通に面白そう!

 

だが、暴走するのは主に、笑い。

いま思い出しても、腹を抱えるシーンの数々。

失笑などというレベルではなく、爆笑。

 

全力で笑わせに来る。

しかも、皆、真顔。

珍妙メイクとか、あり得ないジャンプとか。

テキトーに作られた人形を、人間と見立てなければならない観客の気持ちとか。

 

これが故意のコメディではないとしたら、天才。

天然の天才だ怖い!

 

 

 

主演の渡瀬恒彦はずっと真剣に、面白おかしいことをさせられている。

ああ、すげえや。プロだわ。そんなこんななのに、カッコいいのだもの。

 

ピラニア軍団が元気いっぱい!

川谷拓三の頑張りと、志賀勝の悪フザケと、室田日出男の頑張り。

殊に志賀勝の動きが卑怯すぎ、何かにつけて思い出すので許して下さい。

 

歌手から女優に転身した橘麻紀は、足に1億の保険をかけていた美女。

華麗なバイクアクション&見事な棒演技。微笑ましい。

 

乗客の中年女性が印象的なのだけれど、荒木雅子であった。

仁義なき戦い 代理戦争』の倉本こと渡瀬恒彦のお母さんじゃないかー!

 

中島貞夫監督は東大出身。

在学中には、倉本聰とギリシャ悲劇研究会を作っていたとwikiにある。

その成果だろう、逆のベクトルが大いに発達して、生み出す笑いが破天荒。

アクション&カーチェイス&笑いを『ブルース・ブラザース』より先んじて、実践。

 

 


諸々と大雑把なところがあり、気づけば気づくほど笑顔が増える。

打ち出の小槌みたいにドンドン増えます、楽しさが。

 

ここをケチって、ここに金を賭けたのだなと一目瞭然。

犯罪者の青春の暴走とあいまって。

 

実に清々しい!

まさに東映映画!

 

アクションは相当な迫力だ。

全部、人力でやっているから。

渡瀬恒彦に至っては、あのアクションを全部ノースタントだから!

 

京都を舞台に、ジャックされたバスが暴走。

笑いを積んで走り回るので、これからご覧になる方は本当に、右左ご注意を。

特に志賀勝には、ご注意を。

 

 

 

映画 スクリーン(秋田・週末名画座シネマパレ/Twitter

 

『狂った野獣』
1976年・日本
監督・脚本: 中島貞夫
出演: 渡瀬恒彦、星野じゅん、川谷拓三、橘麻紀、片桐竜次、白川浩三郎、荒木雅子、志賀勝、三上寛、笑福亭鶴瓶、室田日出男

 

 


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※鑑賞の感想です。情報に誤りがございましたら御一報頂けましたら幸いです。