秋田シネマパレ

当日は秋田シネマパレで「坊さん・イン・ザ・ダーク」と称した上映会でした。10日前のイベントを今頃ご報告する厚顔無恥ババアで恐縮です。ネーミングセンスに嫉妬。
まずは、映画の感想から―


ひゃくはち

『ひゃくはち』 2008年・日本

映画好きを名乗りながら、今作を知らずにいた当方に誰か千本ノックを食らわせてください。

野球部!白球!
強豪校で、補欠の2人。
舞台は甲子園の常連校で、しかも神奈川。
私事ながら育った地元であり、懐かしい見知った名前、ユニホームがわんさか登場。

補欠とレギュラーの間に横たわる深い溝、なんていう話ではない。
全員野球。皆が同じ方向を向いている清々しさ。
が、それだけならば、普通のスポコン。

今作が特異なのは、ドン引きするくらいの生々しさだ。
いっそ、甲子園児の清廉な印象は崩れ去る。
コレが実に面白い!
だって、彼らは人間だもの。


補欠男子1の斎藤嘉樹は罪のなさがいい。屈託がない。野球もうまい。完璧じゃないか。
補欠男子2の中村蒼は頑張った。感情の機微もよく、かわいい。

高良健吾のレギュラー感!かなりツボ。
光石研マークを集めている当方としては、ホクホクな配役。この人に思い入れてしまう年齢。

竹内力の監督っぷりも楽しい。ここにも思い入れてしまう年齢。
今作は竹内力のRIKIプロジェクト製作であり、このテーマが何やら嬉しい。

桐蔭学園野球部出身の早見和真が書き、川越高校野球部出身の森義隆監督が撮った映画。
だから、猛烈に現実的。
実際に俳優陣は1か月半の猛練習の後に撮影を開始。だから生まれる本物の空気。

なお、市川由衣の衣装小道具が『SPEC』の当麻沙綾そのものであり、ここからパクった疑(以下略


補欠あるあるや、高校野球あるあるがテンコ盛り。
その実態に、野球は田尾止まりのサッカー脳な当方はかなりの衝撃。

「ひゃくはち」は煩悩の数であり、煩悩を抱えて乗り越えていく青春だ。
清らかじゃない。
泥だらけで泣きべそだ。
思えば、聖人君子が戦えるレベルではないのだもの。

補欠の心意気を知って、チームプレーを知った。
笑って泣いて、汗が眩しい。


映画 スクリーン(秋田シネマパレ

今回は秋田のパ・リーグ大好き会「パ会」のイベントで、パ会コミッショナーの成川了右さんが司会。ゲストは秋田のご住職、満蔵寺副住職・黒木淳祐さん。

秋田シネマパレ

お話が実に興味深い!煩悩はあって当たり前。要は付き合い方です、と仰る黒木住職。凄腕の話し上手。日頃の心持ちの落ち着け方など。当方よりも年下の方だとは!色々と反省しました本当です。

『ひゃくはち』の細かい野球あるある、補欠あるあるを語る成川さんのお話では、映画が一層、深まります。なるほど、そういうことだったのか、あのシーンは!とハッとすること度々。

映画を多角的に反芻できるのですね。映画人が集うのとはまた別の、こういうトークショー。非常に楽しくて有意義!得した感でいっぱい。

KTR(車寅次郎)推しの川口店長も加わって、寅さん談義も。寅さんは地方を巡って人を癒している、仏の心に通じるとの黒木住職のお話に、またハッとしたり。

成川さんのお店製の野の花シフォン(うまい)と、豆茶(うまい)も大サービス。煩悩と野球な1日。腹にも脳にも満腹。大満足。ご馳走様でした。


[関連記事]
秋田シネマパレ・イベント <パレはつらいよ 渋川清彦奮闘編>秋田シネマパレ「男はつらいよ」イベント1 <パレはつらいよ 渋川清彦奮闘編>秋田シネマパレ「男はつらいよ」イベント2



↑面白かったらクリック☆ありがとう!人気ブログランキングへ

にほんブログ村 映画ブログ 映画備忘録へ
にほんブログ村へ

blogramのブログランキング