前回の続きです下差し

 

 

 

「大丈夫?今倒れてたんだよ、覚えてる?」

『??覚えてない、大丈夫だよ』

ふらふらしながらリビングへ歩き出す。

 

『今救急車くるから服着て待ってて!』

『え、何で救急車呼んだの?今から病院行ったら何時になると思ってんの』

お風呂を出た後の記憶は一切ないらしい。

 

『いや、やっぱ救急車いいよ。全然大丈夫だし。』

「でもあと10分もしないで到着するし、救急の人も一度意識なくしてるなら乗ってって言ってた」

さっきの痙攣は嘘だったかのように、普通に歩き会話ができているこの状況に

「忙しいのにこれくらいで呼ぶなよ」と顔に書いてある救急隊員や

救急車の音を聞きつけ窓から覗き「自力で歩けるのに救急車呼んでるw」

とあざ笑うマンション住民達の被害妄想が広がり、本当に乗って良いものかとだんだん弱気に煽り

でも何科に連れて行けば良いのかもわからないし、1分1秒を争う事態だったら怖いので保険証を準備してる内に救急車到着。

 

 

 

 

 

 

 

救急隊員2名は即「脳ですね」と言い合い、近くの脳外科に搬送してくれることに

なぜ一発で脳が怪しいと判断できたのか聞いておけばよかったあせる

口からの血は、恐らく倒れた際に強く噛んでしまっただけなので心配しなくて良いとのこと。

 

夫の家族は皆何かしら持病があったり手術を経験しているが遺伝性のものはなく、夫だけは健康だと聞いていた。

ただ昔から健康診断で心電図にひっかかることはあるが、精密検査の必要はなく問題ないらしい。

この健康診断の話と、冬のお風呂上りということもあり心臓系を疑っていた私は「脳」というワードにとても驚いた。

 

救急隊員の方が到着してからは本当に心強かった。

知識も体力もいるハードな仕事であるにも関わらず優しく接していただき、どんなに救われたことか悲しい

倒れても電話一本で駆けつけてくれて、適切な病院へ運んでもらい病院

夜間でも診てもらえて、高額療養費制度もある・・・

これまで海外に住むことに憧れをもっていたこともあったが

こんなにも日本に生まれて良かったと思ったのは初めてだった。