【80点】1966年、東宝。監督:本多猪四郎 (監督)、円谷英二 (特技監督)、音楽:伊福部昭
正式タイトルは「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」


生まれて初めて、映画館で観た映画です。場所は東京都北区「赤羽東宝」。(1979年に東宝封切りを止め、1982年に廃館。)

当時、5歳の幼稚園児でした。
ゴジラが見たい!見たい!見たい!としつこくダダをこねた結果、母親がゴジラと間違えて (というか、わざと?)、怪獣映画ならと……これが初体験の真相なのです。


でも、この映画、凄いんです。
怖いんです、
悲しいんです……とんでもない傑作でした。




海に生息する怪物の仕業により、謎の海難事故が相次いで発生する。
自衛隊は攻撃を仕掛けるが、もう1体の怪物が助けに現れる。
海の怪物はガイラ、山の怪物はサンダと名付けられ、共に同じ細胞から生まれたことが判明する。
やがて、2体の怪物は戦いを始める。



勧善懲悪ではなく、善悪を問うストーリーに、幼稚園児 (の私) には突き刺さりました。
サンダ=善、ガイラ=悪、なのですが、生まれ育ちによって考えや行動が異なり、生きる社会によって正義の定義もことなります。

ガイラ、平気で人間を喰います。(当たり前ですが、ドキリとします。)



水野久美さま、本当にクラクラします。

女優をエロいと感じた、初体験でした。(5歳ですけど……)


大人になって「池袋・文芸地下」で観た「マタンゴ」(1963年) には、鼻血ブーでした。(今の人にはわからんよ。)
X星人「怪獣大戦争」(1965年)、これまたヤバイです。



特撮としても、ゴジラよりリアル?
陸上自衛隊の誇る超兵器・メーサー殺獣光線車。熱くて痛そうで、興奮します。



最終決闘。
自衛隊はサンダを援護しながらガイラに攻撃をします。
そして海底火山が爆発。
地殻変動にサンダとガイラは巻き込まれ海底へと沈んでいきます。
勝ち負けではなく、悲しさだけが残るのです。

サンダとガイラと、水野久美さま……良い意味?で、トラウマです。