【90点】監督:ペトラ・フォルペ (脚本も)
人手不足で過密な病院の修羅場と、献身的に働き続ける女性看護師。
とんでもなく濃密な時間でした。

スイス・ドイツ合作。上映時間、92分。

州立病院で働く、献身的でプロ意識の高い看護師フロリア (レオニー・ベネシュ)。
この日は同僚が病欠しており、遅番シフトはいつも以上に忙しく、満床病棟で2人で26人の患者を担当することになります。
さらに、看護学生の教育指導もしなければならない。
不安や孤独を抱える患者たちに誠実に接するフロリアだったが、とても手に負えない事態に陥っていき、やがて重大な試練に直面する。

レオニー・ベネシュ、主人公の看護師・フロリア。

「白い巨塔」や「ドクターX」の世界は皆無です。「救命病棟24時」も、生ぬるく感じてしまいます。

認知症の高齢女性のオムツを替え/患者の要望やクレーム/他の病棟からの電話/緊急のナースコール…休憩ゼロの連続対応が続きます。
この連続する看護シーン、カメラワークも見事で、流れるようにつながっています。

末期のがん患者から介護が必要な高齢者、術後に容態が急変する人、救急で運ばれてきた人、移民でドイツ語が通じない人… フロリアの肉体と精神は、爆発 (崩壊)寸前で働き続けます。
高齢女性に寄り添い歌を歌うシーン、ホッとしますがハラハラもします。
やがて極限の混乱の中、投薬ミスを犯してしまうフロリア。
看護学生のアメリーに指導中、きつい言葉を吐いてしまいます。(後で仲直りできて、良かった。)
手も足も時間が不足し、急死する老婆、家族からの厳しいクレーム。
泣き崩れるフロリア、見てられませんよ。(彼女は、全く悪くない!)
…結末は?どう着地させる?

(以下ネタバレ)

フロリアは傲慢な態度をとっていた個室患者男の高級腕時計(4万フラン=800万円)を、窓から外へぶん投げます。
その話を、同僚と笑い飛ばすやりとりは実によかった。(仲が悪いと思っていましたが、共に戦友なのですね。)
腕時計を探しますが見つかりません。謝罪するフロリアに、個室患者男は自分の癌の病状を吐露し、泣き崩れます。
そして、フロリアに反抗していたタバコ女患者が、差し出してくれた高級腕時計。
…この展開は絶妙に上手いです。
私も12年前癌で手術入院していたとき、つい不安から我儘な態度を取ってしまうのです。看護師さん、ごめんなさい。

ラスト、仕事が終わりバスで帰宅するフロリア。隣の座席に、老婆が座る。
バックショットなので、表情は見えません。
老婆のスカーフ、フロリアが診ることが出来ずに急死し、死んだ後に首に巻いたスカーフでした。
フロリアは老婆の肩に、彼女はそっともたれかかり、深い休息へと落ちていく。
なんという…心優しいファンタジーなのでしょうか。泣けました。

スイスの看護師不足と世界の看護師不足、現状と2030年の予測値を訴えて、映画は終わります。
…心に突き刺さる映画です。

人手不足で過密な病院の修羅場と、献身的に働き続ける女性看護師。
とんでもなく濃密な時間でした。

邦題:ナースコール、
英題:Late Shift(遅番)、
ドイツ原題 Heldin(ヒロイン/英雄)

この日は同僚が病欠しており、遅番シフトはいつも以上に忙しく、満床病棟で2人で26人の患者を担当することになります。
さらに、看護学生の教育指導もしなければならない。
不安や孤独を抱える患者たちに誠実に接するフロリアだったが、とても手に負えない事態に陥っていき、やがて重大な試練に直面する。

医療施術の訓練、どれだけおこなったのでしょうか?ホンモノのプロの看護師です。
看護の実務は見ていて、応援したくなります。苦難と試練は、見てられません
演技も実技も、素晴らしいです。主演女優賞にノミネートします。

この連続する看護シーン、カメラワークも見事で、流れるようにつながっています。

高齢女性に寄り添い歌を歌うシーン、ホッとしますがハラハラもします。
やがて極限の混乱の中、投薬ミスを犯してしまうフロリア。
看護学生のアメリーに指導中、きつい言葉を吐いてしまいます。(後で仲直りできて、良かった。)
手も足も時間が不足し、急死する老婆、家族からの厳しいクレーム。
泣き崩れるフロリア、見てられませんよ。(彼女は、全く悪くない!)
…結末は?どう着地させる?

(以下ネタバレ)

その話を、同僚と笑い飛ばすやりとりは実によかった。(仲が悪いと思っていましたが、共に戦友なのですね。)
腕時計を探しますが見つかりません。謝罪するフロリアに、個室患者男は自分の癌の病状を吐露し、泣き崩れます。
そして、フロリアに反抗していたタバコ女患者が、差し出してくれた高級腕時計。
…この展開は絶妙に上手いです。
私も12年前癌で手術入院していたとき、つい不安から我儘な態度を取ってしまうのです。看護師さん、ごめんなさい。

バックショットなので、表情は見えません。
老婆のスカーフ、フロリアが診ることが出来ずに急死し、死んだ後に首に巻いたスカーフでした。
フロリアは老婆の肩に、彼女はそっともたれかかり、深い休息へと落ちていく。
なんという…心優しいファンタジーなのでしょうか。泣けました。

…心に突き刺さる映画です。
