【80点】監督:堤幸彦

黒島結菜、怪演!狂演!スクリーンに目が釘付けです。


堤幸彦監督、出来不出来・賛否両論の多い監督ですが、「賛」です。やればできる子。m(__)m



原作:乃木坂太郎、漫画 (全12巻・106話)。未読。

日本中を震撼させた連続バラバラ殺人事件の犯人で、逮捕時にピエロのメイクをしていたことから「品川ピエロ」の異名で知られる死刑囚・品川真珠 (黒島結菜)。
児童相談所職員の夏目アラタ (柳楽優弥) はその事件の被害者の子どもに頼まれ、まだ発見されていない被害者の首を探すため真珠に接触を試みる。
アラタの前に現れた真珠は、残虐な事件を起こした凶悪犯とは思えない風貌だった。
アラタは真珠から情報を引き出すため、大胆にも彼女に結婚を申し込む。
毎日1回20分だけ許される面会の中で、会うたびに変わる真珠の言動に翻弄されるアラタ。
やがて真珠はアラタに対し、自分は誰も殺していないと衝撃の告白をする。



なぜ死刑囚と結婚までするのか?
ここのハードルを越えないと、映画に入っていけません。
夏目アラタのふてぶてしさ・不気味さ (=柳楽優弥の演技力) によって、動機は不純ですが何とかクリア……微妙。



柳楽優弥、児童相談所職員の夏目アラタ。

何とかクリアと言いましたが、物足りないです。もっともっとクレイジーが見たかった。

恋愛感情まで行くところは、やや難ありかな。(Hもしなかったしね。)

主役としては問題ありませんが、完全に黒島結菜には喰われちゃいましたね。



黒島結菜、死刑囚・品川真珠。
凄いものです。この手のエキセントリックな演技は、賞賛されがちですが、本当に凄い!
すきっ歯から見える表情、眼がイッちゃってます。
ドSのほほ笑み、ドMの悲しみ…楽しんでますよね。
Hシーンや肉体の露出はありませんが、逆にこの映画では「女」を封印して正解。
朝ドラ『ちむどんどん』からの離脱、大成功!
主演女優賞にノミネートします。



中川大志、弁護士・宮前光一。
最後まで、この人裏切るのでは?と思っていましたが、正義?の人でした。
出番もセリフも多いのですが、存在感が厳しい。
というか、相棒のはずの柳楽優弥に押し込まれています。



丸山礼、児童相談所職員のアラタの先輩・桃山香。
役者演技はほとんど初めてとのことですが、なかなかのもんです。
面会室での真珠との会話は、ほとんどコンプライス違反ですが楽しい。



佐藤二朗、死刑囚マニアの藤田。

この役、必要ですか?

不要と感じました。m(__)m






(以下ネタバレ)




4人の死体、身元が分かっているのは3人。
真珠の過去…過食、ストーカー、本当の年齢、この謎解きは分りやすく飽きません。
短いカットでつないでいく、堤幸彦監督の腕が光ります。

途中、無実を主張する流れも、ありえないとは思いつつ、映画の流れとしては問題ありません。

結果、恨みを持って殺したのは1人、3人は救済のための殺人。(3人との関わりの描写がないのは残念。)

本当の年齢も判明し、未成年者の殺人ということで、死刑にはならないで懲役刑13年。




ラストの、結婚式のシーン (妄想?) は要りますか?
作り手側のやりたいことはわかるし、黒島結菜の花嫁衣装は魅力十分なのですが、ベタ過ぎます。




エンドロールに流れる主題歌は、オリヴィア・ロドリゴが歌う「ヴァンパイア」
訳詞のテロップが表示されます。これ大正解。
世界観がドンピシャの歌詞です。