【75点】監督:黒沢清

柴咲コウ

どSなダークヒロインの誕生です。目が冷たい、ゾクゾクしますね。



黒澤清監督が、1998年に日本で制作した『蛇の道』を、フランスに舞台を移してセルフリメイクした作品です。前作、未鑑賞。


全編フランスロケ&フランス語。(フランス・日本・ベルギー・ルクセンブルグ合作。)
なぜフランス?と、当初思いましたが、違和感はありません。
フランスのどこ?けっこう田舎?日本で言うと栃木とか群馬とかかな?m(__)m



8歳の娘を何者かに惨殺された父親・アルベール・バシュレ (ダミアン・ボナール)。
知り合った精神科医・新島小夜子 (柴咲コウ) の助けを借りながら、犯人を突き止めて復讐の殺意を燃やしていた。
やがて2人は、ある財団の関係者たちを拉致し、次第に真相が明らかになっていく。



娘を殺された父親と、彼に手を貸す女性心療内科医が繰り広げる復讐の行方。
娘を殺された理由は、徐々に解明していきますが、心療内科医は何者?なぜ手を貸す?動機は?

関係者の拉致は、下手くそというか生々しいというか、逆にリアル?(狙いか?)
スタンガンや拳銃持参ですが、実に段取り悪いです。


人間を袋に詰めて、引きずっていく姿は何かこっけいで笑えます。

食事や大小便の始末は、納得できます。(これ以上リアルを追及すると、グロになっちゃいますから。)



柴咲コウ、心療内科医・新島小夜子。
最後の最後まで、無感情を通しました。(というか、感情が壊れたのね。)
美しい…拉致した男の死体を刃物で突き刺す表情の美しさ、圧巻です。
新境地と言ってよいでしょう。フランス語についての評価は出来ませんが、フランス語っぽく聞こえました。



ダミアン・ボナール、娘を殺された父親・アルベール・バシュレ。
被害者?ジャーナリスト?実は教団の関係者?



西島秀俊、小夜子の患者・吉村。
精神に闇を抱えている不気味な男。事件とは無関係でした。

こういう不気味な西島さん、好きです。m(__)m




青木崇高、小夜子の夫・宗一郎。
日本在住で、パソコンで小夜子と会話のみ。

会話から、昔は一緒にフランスに住んでいたことがわかりますが…

最近、売れていますね。(というか、印象に残る役が多いです。)



(以下ネタバレ)



児童福祉を目的とした財団が、実は裏で子供たちを人身売買していたという事実が発覚する。
人身売買だけでなく、臓器売買や臓器摘出の動画撮影もおこなっていた。(エグイっす。)



財団のアジトに乗り込んでの銃撃戦、ちょっとやりすぎです。
アルベールは次々と撃ち殺していきますが、この人プロの殺し屋?相手が弱すぎます。
それと、なぜ警察来ない?



そして、アルベールが動画販売の仲介を行っていたことや、妻が黒幕を信奉していたことも突き止める。

さらに、小夜子の娘もこの財団の餌食になっていました。

小夜子は、アルベールも始末します。(最初っから、小夜子の復讐だったのね。)



ラスト、小夜子と夫のパソコンでの会話。

「お前が娘を売ったんだろ」

と小声で呟く小夜子、復讐はまだ終わっていません。(ゾゾゾ…)


エンドロールの音楽が、実に映画のストーリーにフィットしています。

日本だと主題歌が入ってきて、実に邪魔をしますが、こっちの方が良い。