【65点】監督:SABU

2019年に日本でも映画化された大石圭の同名小説を韓国で再映画化。
原作、未読。映画前作 (高良健吾、主演。)、未鑑賞。
今回は、日本人のSABU監督が韓国映画初メガホンをとる。



学生時代から周囲の人々に名前すら覚えてもらえなかった孤独な男ジフン (イ・ジフン) は、初めて大学の講義中に名前を呼んでくれたイェウン (イ・ユヌ) のことが忘れられずにいた。
数年後、ジフンはイェウンを探し出して再会を果たすが、彼女はジフンのことを覚えていなかった。
再びイェウンに強烈にひかれたジフンは、彼女を24時間監視するようになる。
そして、彼女が夫ヒョンオ (シン・スハン) から激しい暴力を受けていることを知る。 



R18+指定。なぜ、ここまでバイオレンスとセックスの描写を強くする必要があるのか?
女性役は新人女優ということですが、彼女の将来を考えているのかな?黒歴史にならない?


バイオレンスがきつい。

顔だけでなく、女性の腹を殴る・蹴る。やりすぎです。

セックスがきつい。

強制フ●ラや首絞め、これレイプです。やりすぎです。



イ・ジフン、主人公の孤独な男ジフン。
イケメンではないのが、リアルで良い。最後の最後まで戦わないので、モヤモヤします。
ようは、ストーカーなのですが、性的な葛藤が感じられないので、イマイチ乗れません。
お笑い芸人のロバートの山本博に、雰囲気似ていませんか?m(__)m


イ・ユヌ、ジフンが忘れられない女性・イェウン。
大学時代の明るく輝いていた顔と、現代の虐待を受けている顔が、見事に違います。
驚きなのは、どちらの顔も相当な美人です。
殴られた際のうめき声や、あざや傷跡だらけの体と表情、SABU監督の狙いはコレか?
バストトップ、全裸、まさに体を張って頑張りました。次回作、期待しています。



シン・スハン、イェウンの夫・ヒョンオ。
どうしようもない馬鹿なドS男、精神科医?見えません。
子供のころ親から虐待を受けていた回想シーンがありますが、だから何?



主人公のジフン、イェウンの家の暗証番号を暗記し、家に侵入します。
監視カメラや盗聴器を設置し、イェウンの携帯電話にも盗聴器をつけ、24時間感じるって…犯罪ですよ。(夫のDVを知るのは、このあとですから。)



なぜ、この夫婦は結婚したのか?
親の借金に関係しているようなセリフはありますが、明確な説明はありません。
それに、こんなに殴られ、蹴られ、犯されているのに、なぜ逃げない?
昼間は夫は、勤務して夕方までいないし、監視や監禁もされていないし…





(以下ネタバレ)



イェウンはヒョンオに怯え、抵抗もできずに日々奴隷のように扱われています。
そんなイェウンに何かしてあげたいと思うも何もできず、ただベッドの下に潜むジフン。


イェウンは、とうとう夫の元から逃げます。
携帯電話を調べていたイェウンは、そこに仕込まれていた盗聴器に気づきます。
「誰か……聞いているの」そう問いかけるイェウンの声を聞いていたのは、ジフンでした。


ヒョンオに見つかり連れ戻されたイェウンは、再び暴行を受けます。
「そこにいるんでしょ、助けて」
姿を現したジフンはヒョンオの片目を潰して、ヒョンオを抱えて消え去ります。

映画はここで終わりません。


イェウンとジフンは地下室で、思いを語ります。
「あなたのことを覚えていたらもっと違う人生になっていたかもしれない」
そして、警察に逮捕されます。
ヒョンオも死んでいませんでした。

警察車両で連行されるジフンを、走って追いかけるイェウンのアングルでエンドマーク。



夫のヒョンオを殺さなかったのは殺人罪にしないため。ジフンとイェウン将来を暗示した、と解釈しましたが、甘いですか?


新人女優のイ・ユヌ、期待します。