池田エライザ、大変身!

早くも主演女優賞決定か。



『舟を編む 〜私、辞書つくります〜』

2024年2月18日からNHK BSプレミアムで放送。全10話。

毎回が神回なのです

本作の年代設定は2017年から現代へ。
(コンプライアンス、働き方改革、コロナが登場してきて、リアル度数を上げます。)


原作:三浦しをん、小説。映画版鑑賞後に半分ぐらい読んで、なぜか中断中。

人気ファッション誌の編集部員・岸辺みどりは、雑誌の廃刊が決まり、突如異動になった先は辞書編集部。
そこは、生真面目上司・馬締光也を筆頭に、くせ者ぞろい。
みどりは、彼らに翻弄されながらも、一冊の辞書を作るために十数年間に及ぶ時間と手間をかける根気と熱意に触発され、次第に自らも言葉の魅力を発見、辞書編さんの仕事にのめり込んでいく。
中型国語辞書「大渡海」を完成させるまでの、辞書編集部員たちの奮闘物語。



●どうしても、映画と比較してしまします。
映画版『舟を編む』(2013年、監督:石井裕也)
第37回日本アカデミー賞で最優秀作品賞、第68回毎日映画コンクール日本映画大賞、第38回報知映画賞作品賞、第26回日刊スポーツ映画大賞作品賞を受賞。…この年の映画賞総ナメでした。(私もナンバーワン評価です。)


文系だって、熱血する!
良質のお仕事ドラマと意って良いでしょう。
映画版では辞書編集部主任・馬締光也の視点 (主役)、
今回のTVドラマ版では辞書編集部の若手・岸辺みどりの視点 (主役) で描きます。

とにかく、辞書の作成作業・過程・手順をきちんと見せてくれます。
「用例採集」良い響きです。
仕事にのめり込む、照れくさいけど羨ましいです。

辞書だけでなく、

辞書用の究極の紙の作成、装丁、宣伝……いろいろな仕事が楽しめます。



各シーンで、辞書の説明文を白色で浮き上がらせるCG技術が、心情効果を絶妙に表現します。(コレがさりげなく上手いのよ。)


仕事だけでなく、

岸部みどりと製紙企業の宮本との恋の行方も同時進行し、初々しい恋愛を楽しめます。




●出演者が、皆々様、役にピッタリとはまっています。
池田エライザ、玄武書房の若手社員・岸辺みどり。
ある日突然、ファッション誌編集部から辞書編集部に異動。
まさかの大抜擢。辞書編集部は無理だろう (主役も大丈夫?)……いい意味で裏切ってくれました。
言葉に目覚め、辞書作成作業を黙々と行いながら、しっかりオシャレもする。これがたまらん。
痩せていない肉付きも、普通の会社員で良い。m(__)m



野田洋次郎、玄武書房の辞書編集部主任・馬締光也。
こちらもまさかの大抜擢。ロックバンド・RADWIMPSのミュージシャンの顔を完全封印。
ぼさぼさの髪型に真面目な口調、全然ミュージシャンに見えません。大正解。

向井理、宣伝部で元辞書編集部員・西岡正志。
縁の下の力持ち役として、辞書編集部をサポートするナイスガイ。もうけ役です。
ただ、こんなにカッコよくスーツを着こなす会社員はいません。


柴田恭兵、日本語学者で中型辞書「大渡海」の監修者・松本朋佑。
これまた意外、辞書監修者の先生にドンピシャです。あぶない刑事よりカッコいい。


岩松了、玄武書房の元辞書編集部員で現在は社外編集者・荒木公平。
この役者、大好きなんです。狂気と知性、本作では知性です。

渡辺真起子、事務作業を担う契約社員・佐々木薫。
頼れる中年女子。ここ15年ぐらい、映画やTVドラマに出ずっぱりの大活躍。大好きです。

美村里江、馬締の配偶者・香具矢。馬締が下宿していた大家の孫娘で料理人。
旧名「ミムラ」美人度マシマシです。やっぱ美人だ。
映画版の最強・宮崎あおいを上回る「香具矢」を作り上げました。


矢本悠馬、製紙企業「あけぼの製紙」の用紙担当・宮本慎一郎。
好感度ナンバーワン、こんなに誠実で正しく優秀な会社員はいません。部下にほしいです。

堤真一、玄武書房の代表取締役社長・五十嵐十三。らつ腕の新社長。
ワンマンでデジタル重視の売上至上主義者に見えますが、言ってることは絶対に正しい。
この社長、正解ですよ。

柄本時生、装丁を担当する、人気ブックデザイナーのハルガスミツバサ。
いい味、出ています。コメディリリーフとしての役割も絶品です。 



●映画版との比較 (役名:ドラマ vs 映画)
岸部みどり:池田エライザ vs 黒木華
馬締光也:野田洋次郎 vs 松田龍平
西岡正志:向井理 vs オダギリジョー
松本朋佑:柴田恭兵 vs 加藤剛
荒木公平:岩松了 vs 小林薫
佐々木薫:渡辺真起子 vs 伊佐山ひろ子
馬締香具矢:美村里江 vs 宮崎あおい
※全員、優劣がつけられません。(それほどGoodということです。)



2024/4/21(日)、感動的な最終回でした。
2020年の「コロナ」を中心に展開させるとは、NHKの本気度を感じました。
言葉の重み、重要性、必要性、グサグサと刺さりました。
「大渡海」無事刊行し、松本先生の辞書編集部の人たちへのお言葉、コレ泣けますよ。(映画版では刊行前に死んじゃうのでヒヤヒヤしました。癌を克服し元気になって大正解。)
そして、2024年の現代まで進んでハッピーエンド。
粛々と真面目に仕事を続ける、元気の出るTVドラマでした。

それにしても……池田エライザ、素晴らしいです。