当ブログ「ビバ映画祭り」(旧:映画eigaえいが)、2014/4/9からスタートし、今年2024年の2月で1000本を突破しました。(拍手)

その中で、【映画本】が2015/6/17は追っかけスタートし、現在79本


その中から10本を厳選しましたが、どうしても切れなくて…12本になってしまいました。
ベストテンと言いつつ、順位つけられないので、本の発売順です。

選定条件として、黒澤明監督の本は除外しました。(すでに「黒澤明の本、ベストテン」やってますので……)

ブログ公開時の日付とコメントをそのままに掲載しました。
では……




【映画本14】松田優作 炎静かに 
山口猛:1990年11月、立風書房。
(2015/8/30)
優作の本は、多数出版されていますが、この本の優れているところは、
①ブラック・レインに絞っている。→日本映画の不満を直球ではなく、ブラック・レインの撮影を通して問題提議しています。
②優作の演技論の声が聞こえる。→不安と自信、そして確信へ。ロバート・デ・ニーロへの尊敬、タラレバですが挑戦になったはずです。
③過去の話は少なめにし、「今 (執筆当時)」の話が中心であること。



【映画本10】これだけは言う 辛口シネマ批評 
田山力哉:1993年8月、講談社。
(2015/7/18)
田山さん、日本映画の壁ドン馬鹿状況に「喝!」を入れてください!
何度裏切られても、日本映画を応援し、叱咤激励する。駄目な映画は、はっきりとつまらないと言う。誉めるときは、べらぼうに絶讚する。
当たり前のようですが、仕事でこの姿勢を貫くのは、なかなかできません。



【映画本1】〈映画の見方〉がわかる本
町山智浩:2002年9月、洋泉社。
(2015/6/17)
内容も本の表題ほど上から目線ではなく、比較的読みやすい文章です。ゴシップネタも多々あり、映画評論というより映画解説です。
読んだ後は、確実に何本かはレンタル屋に借りに行くでしょう。



【映画本3】「砂の器」と「日本沈没」70年代日本の超大作映画 
樋口尚文:2004年3月、筑摩書房。
(2015/6/19)
作品のクオリティに関して苦言が多い流れが、最終章の「太陽を盗んだ男(監督:長谷川和彦)」で、絶賛の嵐となります。
私も、この作品が日本映画史上ナンバーワンと確信しているので、読み終わった後にガッツポーズ出ました。



【映画本15】 前田敦子の映画手帖
前田敦子:2015年4月、朝日新聞出版。
(2015/9/7)
前田敦子、偉いぞ!こんなに数多くの映画を観ているなんて、それだけで見直しました。ジジイな俺だけど、さらにファンになりました。
映画の感想も、ストレートでわかりやすく、好感が持てます。(最近プロの映画ライターで、わざと難解な表現をする、上から目線の馬鹿者がいますので…)



【映画本24】映画の荒野を走れ~プロデューサー始末半世紀 
伊地智啓 (上野昂志/木村建哉):2015年4月、インスクリプト。
(2016/6/20)
長谷川和彦との確執。「太陽を盗んだ男」で、仕事としては絶縁。よっぽど嫌な思いをしたのか?エピソードでもわかりますが、インタビューの端々に感じる不信感。…馬が合わないとは、こういうことでしょうか…
相米慎二 (2001年9月、53歳没)への思い入れ。長谷川の下で助監督をやってた相米、助監督としては無能と言い切りますが、監督デビュー作から、7本も仕事をします。



【映画本31】1980年代の映画には僕たちの青春がある 
キネマ旬報:2016年9月、キネマ旬報ムック。
(2016/11/8)
焦点が、役者ではなく、監督もしくはスタッフ側です。キネ旬らしい…映画ファンには、読みごたえ充分。
装丁がカッコいいので、私たち50代のオヤジ世代が、通勤電車で読んでいると、「オヤッ?」と見られます。(ちょっと、快感です…)



【映画本37】美しく、狂おしく 岩下志麻の女優道
春日太一:2018年2月、文藝春秋。
(2019/3/1)
『私の女優人生は華麗ではありません。常に挑戦です』
志麻さまのお答えも、本音満載でありながら気品があり、合わせて女優業に対する情熱が感じられ、素晴らしいの一言です。



【映画本44】町山智浩・春日太一の日本映画講義・時代劇編
町山智浩・春日太一:2019年6月、河出書房新社。
(2019/8/17)
町山智浩と春日太一の、対談形式による日本映画・時代劇あれこれ。

リスペクトだけでなく、おちょくりやダメ出しも程よく入っていて、嫌味なく楽しく読めます。




【映画本48】黙示録 映画プロデューサー・奥山和由の天国と地獄
春日太一:2019年10月、文藝春秋。
(2019/11/30)
奥山和由は、ある時期、確実に、日本映画界の牽引者でした。映画関係者は皆、奥山和由に対して、憧れと嫉妬を抱いていたはずです。
野心的な熱意、自己中心的正義、映画界への挑戦、表の顔です。単なるうぬぼれ、自己中心的勘違い、映画界へのあきらめ、裏の顔です。表裏一体、告白は全て本音とは思えません。それでいいのです。



【映画本60】歌うように伝えたい 人生を中断した私の再生と希望
塩見三省:2021年6月、角川春樹事務所。
(2021/11/14)

本を読んで泣くということは、めったにありませんが、塩見三省の魂の文章 (声) に、涙が出ました。

65歳を過ぎて、病に倒れる。(私、今60歳です。)そこからの、苦しみ、痛み、迷い、怯え、あきらめ、ストレートな告白です。そして、ゆっくりと立ち上がり、静かなる闘志で復活していくのです。



【映画本72】「俳優」の肩ごしに
山崎努:2022年11月、日本経済新聞出版。
(2022/12/29)
人生を振り返り、幼い頃から現時点まで、人生観、俳優観を綴ったエッセイ風の回想記。真面目にかつ飄々と、さらに自分自身を俯瞰して真摯に見る視線の素晴らしさ。幼き自分を「ツトムくん」「努くん」と表記するのは、すごく新鮮です。ほのぼのしますね。


お粗末様でした。m(__)m