【60点】1983年。監督:森谷司郎、撮影:木村大作

戦後の政局絵巻的な大河ドラマ。
飽きないのですが、心に響かず…… m(__)m
オールスターを投入しての、「再現ドラマ」に感じました。



原作:戸川猪佐武、未読。

戦後GHQ占領下の日本。
独立のために首相・吉田茂 (森繁久彌) は、ライバル政党との確執や闘争を続けながら、ついに日本独立という悲願が達成させていく。
しかし、吉田は次第に政権にしがみつくようになり、三木武吉 (若山富三郎) は、吉田を首相の座から引きずり下ろすべく、有力政治家たちを巻き込んでいく。


【オールスターキャストです!】 


森繁久彌……吉田茂:前半、英語のセリフがすごーく多いのに、驚きました。さすがモリシゲ、上手いモノです。

小沢栄太郎……松野鶴平
梅宮辰夫……河野一郎:一瞬「仁義なき戦い」?失礼しました。m(__)m
藤岡琢也……広川弘禅


芦田伸介……鳩山一郎
竹脇無我……佐藤栄作:なぜか存在感なし。 
高橋悦史……池田勇人:一番の儲け役です。カッコいい。
田崎潤……大野伴睦


西郷輝彦……田中角栄:頑張っていますが、角栄さんに見えません。
仲谷昇……岸信介
村井国夫……麻生太賀吉
土屋嘉男……林譲治


夏目雅子……麻生和子:まさしく紅一点。凛として美しい。
峰岸徹……三木武夫
橋爪功……福田赳夫
池部良……緒方竹虎


勝野洋……中曽根康弘
鈴木瑞穂……中井川隆一郎
稲葉義男……増谷秀次
小林稔侍……西村英一


若山富三郎……三木武吉:政治家に見えませんが、実際はこんな感じの人のようですね。
小池朝雄……浅沼稲次郎
角野卓造……宮沢喜一:今見ると、笑っちゃうほど若いです。
神山繁……太田一郎:何度もダメ出し食らって、つらそうです。
石田純一……須永一雄:嘘みたいに、若くて真面目な役。

登場人物にテロップがつくので助かりますが、
政治に興味がなかったり、
この時代を知らないと、
理解が難しい政局映画です。



総理の吉田茂が外務次官の太田一郎 (神山繁) を官邸に呼び付けて、対日講和の条文作成を指示するシーン。
しつこく何度も書き直しをさせますが、具体的な表現の指示がなく、ただ罵倒してのダメ出し。本当にこんなやり取りなの?今ならパワハラです。



アメリカ占領下の前半はモノクロ、
講和条約成立し日本独立を達成した後半はカラー、
このメリハリは正解です。


三木武吉 (若山富三郎) と河野一郎 (梅宮辰夫) が、政局の流れを言い争うシーン。
東映やくざ映画を見ているようでした。二人とも政治家には、全く見えませんね。m(__)m



後半は、最後まで政局の攻防戦。
ひたすら延々と続きます。
映画として、何が言いたいの?
政治家を肯定しているのか?否定しているのか?
国民無視の政治家の愚かさを訴える?
エンディングに流れる、情感に訴える主題歌は、吉田茂讃歌に聞こえます。




PS1、
吉田茂が退陣後に海岸で幼い孫と戯れるシーンがありますが、孫ってあの「麻生太郎」だよね。
笑いしか、ありません。



PS2、
現代での自民党・裏金事件、オールスターキャストで映画化する勇気ある映画人、いませんか?


今も昔も、本当に政治家は、根性のひねくれた利己主義な馬鹿ばかりです。
あ……2024年の現代でも、通じる真理なのです。
ということは、ある意味、この作品って傑作なのかな?