【80点】2023年。監督:熊切和嘉。
PG12指定

ハチャメチャな脚本ですが、面白いッ!
ホラー映画ではなく、超異常現象でもなく……あり得ない話だが……
中島裕翔、とにかく見直しました。(理由は最後まで読んでください。)



公開時、映画館に行こうか悩んでいた作品です。
(やっぱ、少しで気になったら行くべきですね。反省。)



営業成績ナンバー1で社長令嬢との結婚も決まり、順風満帆な川村俊介 (中島裕翔)。
結婚式前夜のお祝いパーティで酩酊し、帰り道にマンホールの穴に落ちてしまう。
傷を負い、自らだけでの脱出は不可能だと考えた俊介は、片っ端から仲間に連絡しますが誰も出ません。
唯一電話に出たのは、元カノの工藤舞 (奈緒) のみ。
俊介が送った地図を頼りに探しても、俊介が落ちた穴は見つからない。警察に連絡しても、見つからない。 
……中島裕翔、いつもと違うな…



川村俊介の妹だという設定の「マンホール女」というアカウントを作成し、SNSの住民に助けを求めることにします。
情報はすぐに集まり、誰かに拉致され、知らない穴に落とされたのではないか、俊介に恨みのある人間の仕業ではないかということが分かってくる。
……警察よりSNSの発想が、昭和世代には驚きです。しかし、これには…



ネット民は犯人ではないかと疑った、同僚の加瀬悦郎 (永山絢斗) に拷問にかけて問い詰めます。
……永山絢斗、なんか懐かしいです。
現実の事件のことがあるので、犯人か?とよぎりますが、けっこうチョイ役でした
 


溢れてくる泡で死にそうになりますが、泡をガスで爆発させて、なんとか生き残ります。
……このシーン、科学的な根拠ゼロだし、爆発って何?なぜ泡が上手く吹っ飛ぶの?
なぜ俊介は死なないの?(主役は死なないのだ。)




(以下ネタバレ)



話は迷走します。
俊介は腐乱死体を見つけ、過去の記憶が蘇ります。
死体の正体は川村俊介…本当の川村俊介。マンホールにいるのは吉田という男で、本当の川村俊介を殺し、川村に整形して川村俊介のふりをし続けていたのです。
……何よ?このアンビリーバブルな展開。(でも、悪くない。結末は?)



事件を理解した俊介 (吉田) は、犯人は本物の川村俊介の恋人だった折原奈津美では?
……この土壇場で、いきなり登場の折原奈津美って誰?



俊介の場所が断定され、工藤舞が救出に来ます。
垂らしてきたロープを使い外に出ますが、そこには舞の姿はありません。そこにいたのは折原奈津美でした。
俊介のスマホを操作し、工藤舞の番号を抜き取っていた奈津美。つまり、最初から舞ではなく奈津美だったのです。
……しかも、なんといきなり登場の奈津美は、「黒木華」でした。ギョギョ!
「中島裕翔 VS 黒木華」の殺し合いバトル、何だコレ??


俊介は再びマンホールに落ちていき、マンホールの蓋は閉じられてしまいました。
本物の川村俊介の死体の横で、動けない俊介 (吉田)……エンド。
……うーん、あり得ないが、有り。
 


中島裕翔、主人公の川村俊介 (吉田)。
ちょっと浮かれ気味のお坊ちゃま被害者と思いきや、殺人鬼でした。
前半から、少し態度悪いなー、って感じだったのは、ネタフリだったんですね。
TVドラマ「しずかちゃんとパパ」で見せた天然系の良い人とは、真逆の悪の顔が見れて満足です。
こっちの顔も、悪くない。



奈緒、元カノの工藤舞。
奈緒さん、最後まで声だけの出演だったんですね。もうビックリです。
福岡弁でのセリフ、お見事です。(鑑賞後調べたら福岡出身でした。)



黒木華、本物の俊介の恋人だった折原奈津美。
こちらも、さらにビックリ。最後の最後でいきなりの大物登場、しかも犯人役。
宣伝時、いっさい封印していたようで、シークレットキャストのこのやり方は成功ですね。
(注:ブログの写真は映画とは無関係です。)

日本映画、やるじゃないか! 
(泡のシーンは、ちょっと失敗ですが…)