【95点】監督:藤井道人

岡田准一 vs 綾野剛、メチャクチャ面白い!
肉体を駆使した怒涛のアクション、日本映画やるじゃないか!


2014年公開の同名韓国映画のリメイク作品。前作未鑑賞。

ある年の瀬の夜、刑事の工藤 (岡田准一) は、危篤の母のもとに向かうため雨の中で車を飛ばしていた。
妻 (広末涼子) からの着信で、母の最期に間に合わなかったことを知る。
その時、車の前に現れたひとりの男をはねてしまう。
工藤は男の遺体を車のトランクに入れ、その場を立ち去る。
そして、男の遺体を母の棺桶に入れ、母とともに斎場で焼こうと試みる。
その時、スマホに「お前は人を殺した。知っているぞ」というメッセージが入る。
送り主は県警本部の監察官・矢崎 (綾野剛) で、工藤は矢崎から追われる身になってしまう。



車で人をはねた不良刑事を追い込む切れ者監察官のストーリーと思いきや、二転三転の逆転ストーリー。
あり得ない話を納得させるのは、岡田准一と綾野剛の体を張った演技です。


アクションが上手いし、痛い。
「殴る」ではなく、「殴る殴る殴る殴る殴る」と連発するのは、なるほどね。



岡田准一、悪徳ではないが不良な刑事の工藤。
焦りとイラつき、絶妙の間の取り方が見事。シリアスなのに、笑ってしまいます。(観客の笑い声、何度も聞こえましたよ。)
アクションは、予想以上に満点で満足。凄いものです。
当然、主演男優賞にノミネートします。



綾野剛、県警本部の監察官・矢崎。
ヘビのような顔付き、切れ者ではなくキレ者、大絶賛です。やっぱ正義の良い人より、狂気のヒール (悪役) が似合います。
アクションも頑張りました。これまた、助演男優賞にノミネートします。



広末涼子、終始不機嫌な刑事の妻。
夫に対して不満タラタラの表情、怖いくらいイイですね。キツイ言い方も、ゾクゾクします。まさか、素 (す) ? m(__)m



柄本明、ヤクザのボス・仙葉。
敵?味方?顔が異様に変化します。
ここ数年の柄本明さん、映画に出まくっていますが、ハズレが一本もありません。
素晴らしい!




藤井道人監督、
前作の「Village ヴィレッジ」とは違って、社会派メッセージを捨てて、アクションに徹したのが正解でした。(褒めています。)



(以下ネタバレ)




刑事・工藤が車ではねた男は、監察官・矢崎が直前に銃で撃ち殺していたのです。
巨額な裏金をめぐる、政財界・警察・ヤクザのトラブルで、工藤は偶然に車ではねてしまったのです。
この偶然の信憑性を、アクションの力技でねじ伏せるのに成功しています。



後半からラストにかけての、岡田准一と綾野剛のタイマン対決。
全く、飽きません。
血だるまの岡田准一、超カッチョイイぞ。
血みどろの綾野剛、お前はゾンビか?


「最後まで行く」
ラストでタイトルの意味がわかりました。
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