【90点】1981年。監督:深作欣二
 
「エロイムエッサイム 我は求め訴えたり」

原作:小説、山田風太郎。未読。


SF時代劇、それでいて軽くなく、重厚なスケール。何より、面白い!

大活劇を堪能する「深作欣二ワールド」、全開です。\(^o^)/
 


島原の乱を起こすも、幕府軍に敗れたキリシタン・天草四郎時貞。
魔界から蘇り、復讐怨念の呪文によって魔界衆を呼び出して幕府転覆を企てる。
その行動を阻止する柳生十兵衛との、死闘が斬って落とされた。
 
スピーディーな展開が、観ていて息をつかせません。
 


千葉真一 (柳生十兵衛)、一生一代の当たり役。
とにかく、カッコいい!
顔中に呪文を書いたビジュアル、最強の仮面 (衣装) です。声も渋いね。(^o^)
 


沢田研二 (天草四郎)、スーパースター「ジュリー」降臨。
男性なのにヤバい色気、ユニセックスなたたずまい、クラクラします。(*_*)
 


佳那晃子 (細川ガラシャ)、妖艶。
この作品で脇役からステップ・アップした記憶があります。
現在、病気療養中とのこと。無理せずご自愛ください。
 


緒形拳 (宮本武蔵)、大物。
この作品では脇役ですが、さすがの武蔵です。映画が引き締まります。
2008年、71歳没。合掌。
 


室田日出男 (宝蔵院)、名脇役。
どんな役でも、映画に溶け込む演技力には脱帽です。
2002年、64歳没。合掌。
 


真田広之 (伊賀の霧丸)、若い!凛々しい!
当時21歳、アクションのできるイケメン。身長が、あと5㎝あったならば……惜しい。あ、これ禁句?
 


若山富三郎 (柳生但馬守)、凄い!
剣の立ち回りの上手さ・鋭さ・美しさ、日本一の殺陣の技術を持っています。
1992年、62歳没。合掌。
 


衣装アドバイザー:辻村ジュサブロー (現:寿三郎。
人形作家&操作師、アートディレクター) の、腕が光る。
和洋折衷というか、
前衛的というか、
原色を強調した色彩と、オカルト的なデザインが見事にクロスオーバーしています。
 


大物、
くせ者、
個性派、
……これだけの役者をさばけるのは、さすがの深作欣二監督です。
 


ラスト、
城の中を炎上させての戦い、今見ても火の強さが引き立ちます。
これCGじゃないですよね。
昨今の映画は安易にCGで処理しますが、ホンモノの炎を使っていると、観客席にも迫力が倍増して伝わります。

柳生十兵衛 VS 天草四郎。
エロイムエッサイム……ムムム…ただただ、カッコいいです。