【90点】監督:伊丹十三



まず、伊丹十三。
俳優、エッセイスト、映画監督…etc。
51歳で「お葬式」を撮り、1997年64歳で没。



10本の監督作品を残しました。
・お葬式    (1984年)
・タンポポ   (1985年)
・マルサの女  (1987年)
・マルサの女2 (1988年)
・あげまん   (1990年)
・ミンボーの女 (1992年)
・大病人    (1993年)
・静かな生活  (1995年)
・スーパーの女 (1996年)
・マルタイの女 (1997年)

この作品、断トツに面白いです。
当時、社会現象にもなり、「マルサ」が流行語になり、映画も大ヒットしました。
社会派エンターテインメント&風刺コメディ?新しい邦画ジャンルを確立したエポック・メイキング的な作品です。。ちょっとホメすぎ、かな。

様々な脱税の手口の見せ方と、ガサ入れの手際よさの対比。追われる側VS追う側の攻防戦が、よく出来ています。

★役者が凄い!★



宮本信子、マルサの女。美人じゃないが、魅力的なウーマンを嫌味なく演じています。
「お葬式」「タンポポ」と主役が続いたとき、監督の女房だからねと卑屈に思いましたが、マルサの女は彼女にしかできません。
大正解です。






津川雅彦、マルサの課長。
江戸弁?の台詞の言い回しが、気持ちイイ。しゃきしゃきしています。
仕事に忠実な、正統派の二枚目。あたり前なのですが、背広が似合います。




大地康夫、マルサのジャック・ニコルソン。薄い髪の毛が、似合います。
この作品で、世の中に認知された記憶があります。

桜金造、マルサの同僚。
まさかの抜擢、金造がカッコよく見えてしまうとは…伊丹監督の眼力は正しい。




山崎努、正しいワル。
脱税もするし、不倫もする。賄賂だって使う。但し、本当に悪いことはしない男。メガネ面が、超似合ってます。

その他、
出ている役者が皆々素晴らしく、作品にはまっているのです。特にベテランの男たち!(伊東四朗、大滝秀治、芦田伸介、小林桂樹…)

音楽:本多俊之。
★★★★★の満点!
斬新かつ心に響く、このスーパーメロディ!JAZZ&Fusion界の貴公子が、映画音楽の世界で昇華する。昔からの「本多俊之」ファンとしては、涙が出るほど嬉しかったです。

とにかく、
日本映画じゃないような、スタイリッシュな感覚での、新しい日本映画。
今、見直しても新しい!
必見!