【75点】1986年。監督:山川直人

『活字発光シネマ。グッバイ、日本映画のコレステロールよ。』
当時の映画ポスター (チラシ?) での、宣伝コピーです。
最先端=PARCOの時代でした。
…尖ってます、微笑ましいです
(私、当時25歳でした。ロードショーで鑑賞済、先日再見しましたヨ。)




高橋源一郎の原案を基に、高橋と山川直人が脚本を共同執筆。(つまり、映画用のオリジナル。ですよね?)




ビリィ・ザ・キッド (三上博史、若い!) はモニュメントバレーの荒野を馬に逃げられ、とぼとぼと歩いていた。
立ち止まり、あたりを見渡そうとした次の瞬間、彼は奇妙な酒場スローターハウスに立っていた。

ビリィは店のマスター (石橋蓮司) に用心棒として雇うよう、早打ちを披露するが、宮本武蔵 (内藤剛志、これまた若い!) の神業的居合抜きの前には破れてしまう。


だが、マスターの一人娘テイタムに一目惚れし、何とかタダ働きのウェイターとして雇ってもらった。

愛妻家で芸術家のサンダース軍曹 (加藤善博)、
詩人の中島みゆき (室井滋、なんとミニスカートです)、
念力を繰る104 (石井章雄=ラサール石井)、
合体人間マルクス・エンゲルス (戸浦六宏)、
彼らはそれぞれ、修理屋、ウェイトレス、レジ係、皿洗いとしてこの店で働いている。



……三宅裕司のナレーションと、実在人物のモノクロ映像による用心棒の紹介が絶妙に良く出来ています。……宮本武蔵、104、ビリィ・ザ・キッド、サンダース軍曹、マルクス・エンゲルス、中島みゆき。



だが、それは仮の姿であり、実はギャングたちの襲撃から店を守るため、雇われた用心棒たちだった。

ロックバンド、ゼルダのライヴコンサートを3日後に控え、ビリィは店の客になりすましたギャングを見つけだそうとやっ気になっていた。

来る客すべてあやしいが、美人OLのシャーロット (真行寺君枝) だけには気を許してしまう。


……真行寺君枝「謎めいて妖艶で神秘的な美しさ」圧巻です。


……あまり関係ないけど「メトロファルス」出てましたね!(メトロファルス、超好きです。)


……神戸浩の巡査、この吃りのイントネーション、不謹慎ですが笑ってしまいます。
「いつまで待たせるんだ、ファシスト野郎!」「甘くないぞぉ、ぜんぜん」(笑)



……おとぎ話のようなショート・エピソードがいくつか続き、少し観念的で苦痛です。m(__)m



ゼルダのライヴが始まる。

店内に生暖い風が吹き、ギャングたち、ハリィ・キャラハン刑事 (原田芳雄)、ブルース・スプリングスティーン (塩野谷正幸)、レオニド・ブレジネフ、そしてシャーロット、が襲撃してきた。

壮絶な銃撃戦の後、死体だらけの店内に残ったのはマスターとみゆきとビリィの3人だけだった。

……銃撃戦はきちんと見せるし、人も死にますが、痛さは感じられません。
スーパーエキセントリックシアター・三宅裕司と小倉久寛の、コンビ芸のくだりは要りません。
最後にテイタムを殺したのは、あきらかに失敗です。(殺す意味がありません。)


不条理ファンタジーを狙ったのかな?

昔より響かないのはなぜ?

初見25歳、再見63歳、感性の衰えか?





翌朝、ビリィは2人と再会を約束して、店の壁画から快晴のモニュメントバレーへと去って行った。エンド。




主題歌:ZELDA (ゼルダ) 「黄金の時間」
……超名曲!(今でも、よく聴いています。)



……う〜ん、本当に微妙な再見でした。
しかしながら、真行寺君枝は実に美しい。