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ドラマでは,刑事が抵抗する犯人を逮捕する際に「公務執行妨害罪で逮捕する。」という言葉が決めぜりふのように出て来るので,公務執行妨害というと警察官の職務執行を妨害する罪と誤解されている方もおられるかもしれない。

しかしそうではなく,暴行又は脅迫を用いてあらゆる公務員の職務執行を妨害した場合に公務執行妨害が成立する。

だから,市役所の窓口業務を妨害しても,公立学校の授業を妨害しても,公立病院の診療を妨害しても公務執行妨害となる。

その結果,面白い現象が生じる。

同じく暴行又は脅迫を用いて妨害をした場合でも,公立学校の授業や公立病院の診療を妨害した場合には公務執行妨害が成立するが,私立学校の授業や私立病院の診療を妨害した場合には公務執行妨害は成立しない。

同じ内容の授業や診療であっても,先生の所属によって公務執行妨害になったりならなかったりするのはちょっと不思議な気もする。

私立学校の授業や私立病院の診療が妨害された場合には,公務執行妨害罪ではなく業務妨害罪が成立する。

これが著しく不合理かというとそうでもない。

なぜなら,公務執行妨害の法定刑は3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金,業務妨害の法定刑は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金とほとんど同じだからだ(禁錮の有無が違うだけ。懲役と禁錮の違いについてはまたお話しさせていただく予定です)。

なぜこのような違いを刑法は設けているのだろうか?

これは私の推測だが,刑法が制定されたのは明治40年。

当時は,官は民より上の特別な存在という意識があったからではないだろうか。

法律も含め,人間が作ったものはすべからく歴史の産物,歴史がなせる技と言えるのかもしれない。

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