農耕民族では遠隔地での「親子で6次化」を主たるテーマの一つとして掲げています。

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(※今回のブログは、農耕民族メニュー冊子に載せる文章を転載しています。)


バジルソースや生バジルを始め、季節ごとに種々の野菜が送られて来るのが、当店の産地のひとつ秋田県潟上市(旧天王町)にある「池端農園」。

ほかでもない農耕民族日野店店長・池端一の実家です。

どの農産物を食べても、美味しくてこだわりが感じられる池端農園は、秋田で先祖代々続く由緒ある農園。。

と思いきや、実は本格的な野菜作りを始めたのはここ10年くらいとのこと。

父である健一郎さんは、地元の金足農業高校在学中より(注:野球はやっていない)、「将来は農家になりたい」という思いを強く持っていたそうですが、家庭の事情によりその夢を断念せざるを得ませんでした。

高校卒業後、40年以上にわたり地元新聞社を勤め上げた健一郎さん。

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在職中も夢をあきらめ切れず、というよりも以前に増して日に日に強くなる思いを抑えきれずに、家庭菜園用に(と呼ぶには少々広すぎる)畑を借り、さまざまな種類の野菜作りに取り組んできました。

池端さんが辿り着いた一番のこだわりは「人と同じ野菜、育てやすい野菜は極力作らない」。

毎夏、自分が育てたオクラやトマトなどを道の駅で販売し、好評を博している妻の良子さんは「もっと道の駅とかで売りやすい野菜を作ろうよ。と言っても、自分がこれだと決めた難しい野菜ばかり作って、今まで失敗ばかり」と半ばあきれた顔をしながら嬉しそうに話してくれました。

それでもあきらめずに自分が満足いく作物を育てるために試行錯誤を繰り返して来たそうです。


さて、時はそんな健一郎さんの定年退職前夜。良子さんの心をさらなる困惑へと誘う、とある一言が発せられました。

「退職金でもっと畑さ借りて、加工所作るべ」

今まさに「親子で六次化」の小さな鐘の音が響いた瞬間でした。
(つづく)

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