少し前に読了した本ですが、1月にあるセミナーで氏の講演を聞く機会があり、非常に共鳴する部分があったので、手に取ったものです。そのセミナーが、本書のダイジェスト版といった趣の内容でした。
主要テーマとしては、お金とは本質的に何なのか、お金の守り方、お金との付き合い方、といったところでしょうか。また、エピソード的に書かれている、「国債っていい鴨」のくだりや、「お役人が大事なのは霞ヶ関」、「会社に勤めているということは実は大きなリスクを負っている」、「世の中にうまい話はありません」、なども妙に頷けてしまいました。
これらは十分読むに値する内容だと思うのですが、私が氏にもっとも共鳴した部分とはこれら以外のところでした。それは、なんというか、氏の経済観にであったようです。
私は、「インフレ待望論」や「円安が日本を救う論」を述べる識者を信じることができません。一時の方策としてはそれらもありなのかもしれませんが、少し先のことを見据え、また真に国益ということでは、どう考えても変です。その点、氏の解釈と説明は、私から見て極めて常識的なものと感じました。