働く業者は「ノド痛い」
豊洲市場内に舞う謎の“黒い粉塵”
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働く業者は「ノド痛い」
豊洲市場内に舞う謎の“黒い粉塵”
間もなくオープンから2カ月が経つ豊洲市場。テレビをはじめとしたメディアは連日、「観光客が大挙」「レストラン大盛況」などと報じているが、実は深刻な問題が発生している。市場の建物内の空気がよどみ、業者から健康被害を訴える声が続出しているのだ。
「市場の中に入ると咳が止まらなくなる」「喉が痛い」「喘息のような発作が出て、夜眠れない」「医者にかかったが、なかなか治らない」――。複数の市場関係者から本紙に、こんな声が続々と届いている。
ある業者は本紙にこう語った。
「建物内の床に真っ黒な粉状のチリが降り積もっていて、水に濡れると泥のような状態になるんです。触ってみると、指に真っ黒な粉がベッタリと付着します。明らかに魚のうろこや魚肉片とは違うので、周りの皆は、『ターレのタイヤの削りカスかもしれない』『ひょっとしてカビじゃないか』などと言っています。正直、かなり気持ち悪いですよ」
そんな「黒い粉塵」を吸い込んでいるのなら、確かに咳が止まらなくなってもおかしくはあるまい。粉塵の正体は、タイヤのカスなのか、はたまたカビなのか。都に問い合わせたが、返答はなかった。
市場問題に詳しい建築エコノミストの森山高至氏はこうみる。
「黒い粉塵については、正体が分かりませんが、空気が悪い原因は、建物周辺を行き交うトラックの排ガスが建物内に侵入しているからではないか。排ガスの建物内への“経路”は、外気を室内に導入する空調機かもしれません。もしくは、忙しい時間帯に頻繁に開きっぱなしになる自動開閉型のカーテンから入ってきている可能性も考えられます」
業者の喉の痛みの原因が、粉塵であろうと排ガスであろうと、外気に吹きっさらしの築地市場では、市場内に空気が滞留することなく、こんな事態は起こらなかったはずだ。
日刊ゲンダイは11月2日発売号で、市場の建物内に“腐敗臭”が漂っていると報じたが、その際、都は本紙の取材に「換気をフルパワーで行っている」と説明していた。換気をフル回転させても空気がよどむ。“元凶”は、中途半端な閉鎖型になっている豊洲市場の構造ではないか。
メディアは「大盛況」などとはしゃいでいる場合じゃない。
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