褒められた話でない。
19の頃
14日 間
警察署に
留置された。
真冬の
冷たい板の間
毛布二枚ひいて寝た。
冷めた味噌汁
透け透けトイレ
小さな格子の
向こうから
酒場帰りの
若い男女の
はしゃぎ声。
こっちは
退屈しのぎに
相部屋のポン中と
プロレス。
ブタ箱の中。
不起訴になり
釈放。
署の門を出て
右へ行くか
左へ行くか
選べる自由に
感動した。
何気に
暮らしていた光景
全てが新鮮だった。
だが
三日経ち…
十日経ち…
一月も過ぎれば
なんでもない自由に
文句を言う自分。
人間は
無い物ねだりをする。
俺はもうオッサンだ。
夢は叶う?
理想は正しい?
原発反対?
清らかな世界?
声高に
わめき立てるよりも
現実に
妥協することの方を
選ぶ。