「こっくりさん」「手動販売機」に関して(吉笑) | 談笑の弟子!! ブログ

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立川談笑の弟子による勉強会のブログです。

勉強会へご来場頂いた皆様、ありがとうございます!




僕個人としては久しぶりの更新です。すみません。


(でも、予約メールの確認ですとか、次回告知ですとかは僕がやっている、というのは言っておきたいです!)




さて、今回の勉強会は『こっくりさん』と『手動販売機』というネタを勉強させて頂きました。


ともにネタ下ろしです。




高座でも毎度毎度言い訳をしていますが、


僕にとっての勉強会は今回のような形で良いと思っています。


正直、台本が固まっていない=もちろん稽古なんかできていない、状態で当日を迎えている訳ですが、


それでも着想のアイデアとあらかたのプロットが固まっていて、一席っぽくなっていたら十分勉強させて頂く価値があります。




先月みたいに着想のアイデアだけの段階だと、さすがに収穫が少なく勿体ないのですが、


今月くらいまであらかた形にできていると、この勉強会での手ごたえを元にどんどんブラッシュアップできます。


反対に、これがもう少し固まった状態でネタ下ろしをすると、


どうしても初稿の形ありきになって、なかなか自由に変えられなくなってしまう気すらしています。




例えば今月の演目ですと、


『こっくりさん』の方があらかた台本は決まっていて稽古もしていました。


(途中、無駄に間を取ったりするのはその場の感覚でしたが、)


それに対し『手動販売機』はもちろん大まかな台本は最初から最後までできていましたが、


(こういう状況から始まって、客が来て、先輩が休憩に行って、帰ってきて終わり、という。セリフもその流れでひとまず起こしてあります)


が、パソコンでパチパチしただけで、読み返すことなく当日を迎えました。


(というのは『こっくりさん』の方が不安だったからです)


で、当日出番前に、3回くらいざーっと目を通したくらいだったのですが、


お客様としてはたぶん『手動販売機の方が完成度が高かった』と思われたはずです。




稽古の量がもう一段階増えれば、また状況は変わるとは言え、


特に勉強会でやる場合、


台本の力がある程度見込める場合はあまり決め過ぎず挑んだ方が良さそうです。


で、やってて楽しいんです、そっちの方が。


終わってから話しましたが、本当はしわくちゃ1000円とかのクダリも用意はしていたのですが、重たくなるかなと飛ばしました。


反対に2本買うくだりの時に、入れる小銭は120円でいいのになんか台本が間違えてる気がして、とっさに240円入れさせました。


でも、よく考えるとやっぱり1本分の値段で2本買う、というロジックだったので120円で良かったと再度気づき、さぁ、どうしようかと思ったときに、


小銭を500円玉に変えようとするクダリを思いつきました。


単純な仕掛けですが、家で、頭で、考えていると出ないものが、本番のプレッシャーの中だとポンとでる経験が少なくありません。


そのあたりの本番でのプラスαを勉強会で引き出しつつ、ちゃんとした形にしていくのが良い方法なのかな、と。


まぁ、そのあたりのバランスは今後も悩むでしょうし、毎回高座で今月はどういう状況か言い訳もすることになると思います。




まぁ、僕がそこまでフリースタイルな状況で本番に挑めるのも、


笑二がしっかり固めてきてくれ、会としてのバランスが保てるからこそで、


弟弟子に甘える形ではありますが、利用させてもらおうかとも考えています。




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意識したの半分、偶然半分、だと思いますが、


ネタの方向性をバラけさせられたのも今月は良かったです。




テレスコ序、舌打たず、みたいなロジックを組み立てるシステムが自分の持ち味なのはもはや疑いようは無いのですが、それだけだとやっぱり自分もお客様も楽しくないので、色々な形をやれればと普段から思っていました。


そう言った意味で、




『こっくりさん』は「漫才・コント的な構築の仕方」と「異常な会話の流れ方」を試すことができました。


このあたりを効果的に落語に落とし込むことができるようになればネタ作りの幅はぐんと広がりそうです。


今回だと、収穫もありましたがまだ判断しかねる感じです。




やりたくなってとっさに足した『最近の呪い』のクダリの方が個人的には好きな空気感だったのですが、お客様の反応はああいう感じだったので(笑)


やりながら、「やらなきゃ良かった…」と後悔していました。




『最近の呪い』部分は「さらに抽象度を高めたオモシロ味」が落語になりうるのかの実験だったのですが、


最後あたり、本当に一瞬だけですがハマった感じがあったので、もしかしたら今後も試す価値があるのかもですが、トータルで判断すると厳しそうです。




作っているうちに自分の脳みそは麻痺しちゃうので、勉強会での初見のお客様の反応というのは、かなり参考になるのです。






『手動販売機』は「共感と驚嘆のバランス」「芝居的な組み立て方」と落語の相性はどうか、という実験でした。


ネタ自体は前から考えていたのですが、ちょうど節電と絡められるなぁ、と押入れからひっぱり出してきたものです。




自分としては設定自体はお笑い文脈で言うと比較的ベタなものだったので、「総スベリしちゃうかも」と怖くもあったのですが、


最初の設定をバラした瞬間に気持ちよい反応を頂けたので、めちゃくちゃ安心しました。


後日別の会でも試したのですが、やっぱり同じような反応だったので、


この噺は「クダリを補強して」「お話要素を足して」「ブラッシュアップして」「きちんと稽古」すれば、頼れる戦力になってくれそうです。(テコ入れする要素多すぎですが、、、)






今回は『手動販売機』をアウトプットできたので自分としては良かったです。


さて、次回はどうなることやら。不安と期待がごちゃ混ぜな感じです。






とにもかくにも、ご来場頂いた皆様ありがとうございます。


笑二と、(特に)僕が、きっちり持ち味を出すことができれば、もっともっとスリリングで楽しい会にできるイメージが明確になってきました。


今はまだまだ小規模ではありますが、いずれは大きなうねりにしていければ痛快だなぁと思っています。




今後ともよろしくお願いします。




立川吉笑