隆二side)
肉とチーズも美味かったね」
マコト「うん、美味しかった〜♡」
ワインも食事も堪能して、おなかもいっぱいに
なったオレたちは、帰り道手を繋いだ。
隆二「マコトに謝りたい事あるんだ...」
マコト「ん?なに??」
隆二「昔の事なんだけど...」
マコト「?!」
隆二「花火...」
マコトの顔つきが変わった。
隆二「あの日、行けなくて...
ごめんね。」
マコトは目を逸らした。
マコト「それ、もう、話さないで」
隆二「本当ごめん」
マコト「隆二のせいじゃないんだけど...
花火見ると思い出すから
見れなくなっちゃった...。
・
あの夜から、色々なことが
変わっちゃったんだよね。」
隆二「ごめん、マコト」
マコトは表情を強張らせ、
涙を溜めていた。
隆二「泣かないで...」
マコトは顔を背けて
泣き出した。
マコト「隆二なんか...
だいっきらい!」
隆二「ごめんなさい」
マコト「謝っても隆二の事なんか
許してやんない!」
隆二「ごめんな。」
マコト「隆二と会うの、
もう、これっきりにする!」
隆二「マコトひとりで、このまま帰せないよ。
送ってくから」
マコト「やだ!
顔も見たくない!!
隆二のバカっ!!」
マコトは泣きじゃくり
駄々っ子になってた。
オレはそんなマコトをたまらず
背中から抱きしめ
「オレじゃ、ダメかな?」
「オレがそばにいるから。
マコトがオレの事
嫌だったら、
しょうがないけど...。」
「オレ、マコトのそばにいたい」
「お願いだから、泣くなよ...」
マコトの瞳から
静かに大きな粒の涙が溢れた。
マコト「私ね...
お母ちゃんの子供じゃなかった...
お兄ちゃんも実の兄妹じゃなかったの...」
隆二「え!?」
マコト「びっくりしちゃうよね!
パスポート取る時、戸籍取り寄せて
わかったの。
それで、おばさんの家も出たの。」
涙が止まらないマコト。
隆二「マコト、落ち着いて!
このまま一人で帰せない。
マコト、オレんち、行こ」
夢中でマコトの手を取り、駅へと歩く。
電車に乗ってる間、
一言も言葉を交わさなかったけど
繋いだその手は離さなかった。