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NHK 「鈴木雅明のドイツ・オルガン紀行」 何度も聴いています

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鈴木雅明さんはドイツの3都市 フライブルク アルテンブルク それにナウムブルク の旅を続け 感動しながらバッハ(1685-1750)の時代に製作された大きなオルガンを演奏していきます

・・・ オルガンは人を見るんですね 演奏者のアプローチの仕方によって上手く鳴り響いたり 鳴らなかったり 歴史的な楽器はそういうところがあります 
人と出会うのと同じです オルガンには人格ではなく「オルガン格」があって オルガンを弾いていると 人と話をする感覚になってくる ・・・
    
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バロック時代を代表するオルガン製作者ジルバーマンゆかりの地 フライブルクにはジルバーマン製作のオルガンが4台あり 最も有名な大オルガンが聖マリア大聖堂にあります 重厚で明るい響き 「銀の響き」とでも言いましょうか でも決してきつくなく耳に心地よい響きです とてもやわらかく低音もよく響きます

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この歴史的なオルガンは1714年完成当時のままです ジルバーマンはフランスから帰り 最初に作ったオルガンでフランスの香りがするといいます 

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このオルガンで演奏されたバッハの作品は
BWV631 来たれ主にして精霊なる神よ
BWV572 幻想曲 ト長調
BWV541 前奏曲とフーガ ト長調
BWV731 最愛のイエスよ
BWV582 パッサカリアとフーガ ハ短調

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私の愛聴盤 昔から聴いているカール・リヒターのレコードもここフライブルクのジルバーマン・大オルガンで演奏・録音されています このレコードは息を呑むほどの演奏が凄い音で録音されています オーディオ的にも最高のレコードです

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アルテンブル城内の教会にはトロースト製作のきらびやかなオルガンがあり バッハもその音色を絶賛した記録も残っています
トローストはジルバーマンとは対照的で とても先進的な考えの持ち主でした 美しいフルートのストップや弦楽器のストップが並び 手鍵盤の数も多く 調律も近代的な方法で行われます
トローストは進取の気性に富んでいて 新しい構造をたくさん作りました 
 ・・・ トローストのオルガンは 弾きにくさにかけては天下一品ですからね 鍵盤はすごく重いしねばります たたいても絶対音は出ない ウーーンと弾くんです  余り力を入れすぎると指が壊れる ・・・  

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このオルガンで演奏されるバッハの作品は
BWV590 パストラーレ ヘ長調
BWV599 来たれ異教徒の救い主よ
BWV604 イエス・キリスト 汝はたたえられん
BWV607 天使の群れ 天より来たれ
BWV625 キリストは死の絆につきたまえり
BWV628 聖なるキリストはよみがえり
BWV639 主イエス・キリスト われ汝を呼ぶ
BWV641 われら 悩みの極みにありて
BWV642 ただ神の時 摂理にまかす者

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ナウムブルクの聖ヴェンツェル教会にはヒルデブランドのオルガンがあります
このオルガンはジルバーマンと次の世代の中間をいくようなキャラクターをもっています トローストのような繊細な面もあるがいきすぎず ジルバーマンのようなかたんに攻めてくるような力強さも兼ね備えています そういう意味でバッハの理想に近かったかもしれない

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このオルガンで演奏されるバッハの作品は
BWV649 ああ我らのもとにとどまれ主イエス・キリストよ
BWV542 幻想曲とフーガ ト短調
BWV709 主イエスよわれを顧みたまえ
BWV548 前奏曲とフーガ ホ短調

バッハはオルガンの名手であり オルガンの鑑定家でもありました 
的確な鑑定と併せて 即興演奏をはじめとした名技を披露し 聴衆に圧倒的な印象を与えたと伝えられています

バッハのオルガン作品は2つに分類されます 
 ① コラール(賛美歌)に基づいた「コラール編曲」
    コラール前奏曲 オルガン小曲集 コラール変奏曲など
 ② 「自由作品」 
    前奏曲 幻想曲 パッサカリア パストラーレ トッカータ フーガなど
 ①②の他に楽器指定のない作品もオルガン演奏されたレコードを聴いています
    BWV1079音楽の捧げもの(ヴァルヒャやリヒターのオルガン演奏)  
    BWV1080フーガの技法(ヴァルヒャやグールドのオルガン演奏)など


私の自宅にはバッハのオルガン作品全集があり ヘルムート・ヴァルヒャの新・旧録音盤や マリー・クレール・アランの全集などで聴いています

バッハのオルガン作品の全彪を初めてレコードにしたのはヴァルヒャでした
高橋昭さんは語っています ・・・ ヴァルヒャの解釈は有機的で 作品を構成する一つ一つの音型 動機 楽句の意義を的確に(本能的にといったほうがよいかもしれない)とらえ それを一つの有機体に再構成して生命を与えている そのため音楽が自然な流れに乗って活き活きした姿を現し 音楽とオルガンとの稀に見る一体感をうみだしている  この覇気に溢れ 自由な精神を実感させる演奏 オルガンの美しい音色と澄んだ響きも魅力的である ・・・

ヴァルヒャのバッハ・オルガン作品全集の新録音盤LPレコード16枚ボックスセット
オランダ・マルクマールの聖ローレンス教会のシュニットガー・オルガンと フランス・ストラスブールのサン・ピエール教会のジルバーマン・オルガンの演奏・録音です 
LP16枚の内のリヒター演奏の1枚はスイスのアルレスハイム・カテドラルのジルバーマン・オルガンになります

それとヴァルヒャのバッハ・オルガン作品全集の旧録音(LPは廃盤)はCD10枚のボックスセットです この旧録音盤の録音はドイツのリューベックSt.Jakobiのオルガン  それにカペル St.Peter Pulのオルガンの演奏・録音です 新録音で使用した大きなオルガンよりも小ぶりなオルガンですが味わい深い音色を聴かせます

このほかにもバッハ全集の新録音CDなどでもオルガン作品を聴いていますが
自宅広間の40cm大型スピーカー エクスクルーシブ3401で再生するオルガン曲の響きには圧倒されます また自宅リスニングルームの20cmスピーカー ビクターSX-V7が聴かせるオルガン曲の美しい響きにも感動させられます 
部屋とオーディオシステムを使い分けて バッハのオルガン作品の録音盤の豊かな音色・響きを聴くのも楽しみで 一日中聴き続けて 次の日も朝から聴いたりします  

私が東京渋谷の西野流呼吸法の道場に通っていた時に 道場内では鈴木雅明さんとも並んで稽古をしていたこともあり 鈴木さんのファンでもあります

NHK-FMでは年末恒例のバイロイト音楽祭の放送が11日から放送されています 
広間の大型スピーカー エクスクルーシブ3401で聴くのが楽しみですね

15日NHK-FMでは鈴木優人指揮バッハ・コレギウム・ジャパンの東京オペラシティ演奏会形式「ポッペアの戴冠」の放送です これも聴き逃せませんね

翌年2018年2月26日から4日連続 NHK-FM 「古楽の楽しみ」では鈴木優人さんの案内で 北ドイツ・オルガン楽派の音楽家たちの作品が4回にわたって放送されました 毎朝楽しみにして聴きました
① ブルーンスの作品
② ブクスフーテの作品 カンタータ「われらがイエスの四肢」からなど
③ ブクスフーテの作品 前回の続きなど
④ ドイツ・バロック音楽の基礎を築いた「3S」と呼ばれる シュッツ  シャイン シャイトの作品 

2018年2月 磯山雅さんが永眠されました まだ71歳でした NHK-FM「古楽の楽しみ」では3月12日から5日間続けて 磯山さんを偲んで過去の番組を再放送 毎日聞いています 私は磯山さんの講演会を聴いたこともあります