モニターモデルから子どもの学習環境を考える | 高機能自閉症のユウト君とアスペルガーの母ちゃん

高機能自閉症のユウト君とアスペルガーの母ちゃん

高機能自閉症のユウト君。
多分アスペルガー&ADHDの母ちゃん。
少数派2人のドタバタな毎日です。
アメンバーは現在募集しておりません。




    

ご訪問ありがとうございます。

 

リムジン前アメンバー申請される方へ

アメンバーは「発達障碍児育児をされていて、育児ブログを書いていらっしゃる」且つ「発達障碍のお子様が中学受験のために勉強中(小学4~6年生)」という方に限定させていただきます。(二つの条件に両方当てはまる方のみ承認いたします)

ご了承下さい。






ヘビヘビヘビヘビヘビヘビヘビヘビヘビヘビヘビヘビ


皆様、こんにちは。しあわせ母ちゃんです。



これまで自分がユウト君のためにどうやって環境を選んだり作ったりしてきただろうと考えていて、判断基準が言語習得の仮説(モニターモデル)を無意識に基準にしている気がしました。


「モニターモデル」とは、クラッシェンという言語学者によって提唱された第二言語習得における5つの仮説です。

① 習得学習仮説

② 自然習得順序仮説

③ モニター仮説

④ インプット仮説

⑤ 情意フィルター仮説

という5つです。

これらを育児に置き換えてみたいと思います。


① 習得学習仮説

言語習得には、無意識に身に付ける「習得」と意識的に身に付ける「学習」があり、この2つは明確に分かれている。習得は子どもが母語を覚えるようなもので、学習は大人が文法を学ぶようなもの。

言語習得には習得が大事である。(学習では身に付かない)

この考え方に対しては、学習は習得に転化できるものであり明確に区別できるものではない、意識的な学習でも言語は上達する、という批判があり、母ちゃんもその批判には賛成です。

育児に関しても同様だと思います。周りからの影響で無意識に身に付ける「習得」と、周り(代表的なのは親)が意識的に教える「学習」があります。

我が子の発達レベルより上の環境に入れるという考え方は、「習得」に重きを置いているのでしょう。周りからの影響で無意識的に成長する、と。

その考えは否定しません。ただ、発達障碍児(特に自閉症児)の場合は注意が必要です。

なぜなら、自閉症児は周りに関心がなく、見ないことも多いからです。全く見ないとは言いません。でも、自閉症が強い子ほど周りを見ません。だってそういう障碍だもの。マイワールドが強いのが自閉症ですから。

そうなると、周りからの刺激をあてにして健常児の多い環境に入れても、親が期待したほどその効果は表れません。多少はあると思いますけどね。自閉症とはいえ少しは周りを見るから。でも、親が望むほどは影響されない。

「発達障碍児は健常児と触れ合わせたほうが伸びる」と主張する専門家がいるようですが、そういう人は自閉症児が周りを見ない問題をどう捉えているんでしょうね。この主張って、自閉症が軽度で知的障害がない(あっても重くない)場合にしか通用しないと思うんですが。


② 自然習得順序仮説

言語の習得にはほぼ普遍的な自然の順序があり、みんなその順序に従って習得していく。

これは子どもの発達にも言えると思います。極端な例を挙げれば、立つ行為の習得なくして歩くことはできない、みたいな順序。

身体能力で言えば、体を大きく動かすことができてから微細運転、とか。

勉強についてなら、「5−2」という計算をさせる前に5と2はどちが大きい数なのか判断できないといけない。

そんなことです。

こんな記事がありました下矢印

早くオムツを外した方がいい!という昨今の傾向に注意を促しています。まさに自然習得順序を無視するなという話ですね。


③ モニター仮説

言語習得には、学習ではなく習得が大事である。意識的に学習した知識は、アウトプットした(これからする)ものが正しいかチェック(モニター)するために用いられる。

この仮説には「そういう側面もある」という感想ですがアセアセ

育児に置き換えた場合で言えば、「この玩具はどこに片付けるんだっけ?」「着替えの順序は…」と子どもが行動する時に考えるのに、教えた知識が役に立つということになりますね。

そんなの当たり前だと言ってしまえばそれまでてへぺろ

でもね、ここで1つ大事なことは

知識として教えておかなければ、モニターすらできない。

ということ。

例えば「周りの子が片付けをするから、この子もするはず」と片付けを教えずにいたらどうなるか??

周りをよく観察したり周りに憧れを持つ子の場合は、教えなくてもできます。でも、そうでない子は片付け方を教えたほうがきちんと自信を持ってできるようになります。

我が子にはどちらがいいのか。理想ではなく現実を見て判断することが必要かと思います。





④ インプット仮説

言語を学ぶ者の能力は、現在のレベルより僅かに上のレベルのインプットをした時最も伸びる。

これは言語に限らず、全ての学びについて言える仮説だと思います!!育児も然り。

子どもの現在のレベルより僅かに上の知識や技術をインプットする。話しかけ方を一段レベルアップしてみる。そうすると子ども自身も満足するし、伸びに繋がります。

ただ、最も難しくて最も重要なポイントがあります。

それは子どもの現在のレベルおよび「僅かに上」の「僅か」がどの程度であるかの判断です。

これがいかに適切にできるかが重要。教師も親も。

特に親は過大評価あるいは過小評価しがち。子どもに期待もするし、失望したりもするから。

学習の内容の決定、進学先の選択などの時、「i+1」(現在のレベルより僅かに上)をいかに正確に行うか。i+3とか4とかになっていないかを客観的に判断しなければいけません。親の責任、重大ガーン


⑤ 情意フィルター仮説

感情的な要因が言語習得能力に影響を与える。不安や自信のなさ等、ネガティブな心理的要素は言語習得能力を低下させる。

これまた当たり前と言えば当たり前ですが。

言語に限らず、学ぶことを楽しめれば習得能力は上がるし、嫌々なら下がります。また、間違えた時に叱られたり馬鹿にされたりしても能力は下がってしまいます。

家庭学習する時、子どもの試験結果を見た時の親の態度もそうですし、教師が生徒に接する時の態度もそうですね。



母ちゃんがこのクラッシェンの仮説を知ったのは大学3年生の時に単位のために履修した授業でだったんですが、妙に記憶に残っているんです。

で、それが育児という場に応用されているように思います。

無意識でしたけど爆笑