地球防衛軍 ベルカ公国司令部 -10ページ目

mission72 神獣 後編


12月7日 市街地



奴は突如として現れた。



「時也さん…あれ…何でしょう…」


俺はその敵を見上げている。










【ワレの名ハウロボロス…ワが…こヲ殺シた…貴サマ等…許さヌ…】


巨大ソラスは我が子を殺されて怒りに満ちていた。





そう…




インベーダーは親が怒り狂うのを考えて幼生体を送り付けていたのだ。










「あんなのに…勝てるのか…?」






あれは大き過ぎる…


勝てるのか…?








俺は唾を飲み込み、ゴリアス-99とゴリアス-EMを構えて前進した。


「うぉぉぉぉぉぉぉ」


俺はただ、只管引き金を引いた。大きな的だから弾薬は当たって当たり前。


だが、アイツは怯む素振りを見せない。





アイツにとっては最早、マッサージをされるような気分だ。


「くそっ…どうせ基地には戻してくれないだろうな…」


俺は背中に背負っていたボルケーノ-6WとルシフェルSで奴に攻撃を仕掛けた。

だが、弾薬は巨大ソラスに着弾、爆散するが、奴には効いてない。


まるでミサイルが戦闘機から振り切られてしまうかのあり様だ。


「そもそも一緒に居た小隊は何処行ったんだ?」


『お前達良いか?別の場所へ移動の後、再攻撃を仕掛ける。装甲車発進!』


小隊の連中は無事だった。装甲車で移動して別の方向から再攻撃を仕掛けるようだ。

俺はとにかく小隊の移動時間を稼ぐ為に持ってる武器全てで奴の攻撃先を俺に向かせた。


「…っ!!」


すると後ろから横切った奴が巨大ソラスに目掛けて飛来、突進して行った。


「瑠璃華!何する気だ!?」


瑠璃華は俺の問いを聞き入れず巨大ソラスの方まで距離を縮めようとした。


「殺す…殺してやる…」


サンダーボウ30を突き出して引き金を引いた。

発射口からは多数の雷が巨大ソラスを感電させようとするが、それも空しかった。


瑠璃華は敵の攻撃を素早く避けて再び武器の引き金を引いた。勿論後の事は言うまでも無い。


「瑠璃華、無理するな!」


俺は呼びかける。だが、彼女は受け入れたのか、無視したのか分からなかった。







アイツは何もかも一人で戦ってる様だ…


「玲奈。瑠璃華から目を放さないでくれるか?」


「分かりました。危険過ぎる行動を執ったら呼び止めます。」





~晴斗視点~


「こちら速水。本部。リバイアサンと巡航、弾道ミサイルならどうだ?これならデカブツでも耐えられないだろう?」


『確かに…巡航ミサイルは本部から発射できるが…何だ。これは…?』


「どうした本部?」


『長距離弾道ミサイルが当作戦エリアまで飛来中。』


「例の正体不明のミサイルか?」


『とにかく巡航ミサイルはこちらで準備する。五分…早ければ三分で準備する。持ち堪えてくれ。』


「了解。じゃあこちらはリバイアサンをぶっ放してやるか…」


俺はリバイアサンの引き金を引いてミサイルを放った。

物凄く遅いが今は関係ない。着弾すれば多大なダメージだ。こいつが駄目なら巡航、弾道ミサイルを頼りにすれば良い。


さらに俺は七十五式レーザーライフルで奴の首を攻撃した。

だが奴の皮膚は分厚く放射線を受け入れないかの如く防御が固かった。


奴にとっては痒い場所をかく様な結果だ。


「霧香、菊乃は今どれだけ爆弾とセントリーガンをばら撒いた?」


『もうじき終わるよ。あっ…今のが最後のセントリーガンだったよ。』


「分かった。今直ぐ俺の所に来るんだ。」





その頃装甲車に乗って移動していた小隊は攻撃位置についた。


「レーダーを確認。黄色い箇所は友軍が仕掛けた爆弾と機関銃だ。そこには近付くな。」


長距離武器(主にゴリアス、スナイパーライフル)を持った隊員は巨大ソラスに対して攻撃を仕掛けた。


「喰らえ!死ね!」


「EDFの勇猛さを見せる時だ!」


「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」


全員は手を休めず、巨大ソラスに攻撃を集中する。

さらに菊乃が仕掛けた一部のZEXランチャー、ZEXR-GANが作動。無数の弾薬からの集中砲火を浴びる。

集中砲火により、流石の巨大ソラスも混乱した。


「機銃に負けてられない。俺達も攻撃を仕掛けるぞ!」


「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」」」


全員は遠距離から攻撃を仕掛けていた。敵を倒すために…


「家族を奪った罪を償え!このデカブツ!」


機関砲の位置に居た隊員がライサンダーFである箇所へと狙いを定めていた。




それは…





―――巨大ソラスの右目


隊員はライサンダーFの引き金を引いて発射口からは弾薬が放たれた。

弾薬は巨大ソラスの右目に目掛けて最速で飛来していた。





プチュ・・・


弾薬は右目に着弾。文字通り巨大ソラスは右目を失明。そこからは血が飛び散っていた。


『弾道ミサイル接近まで残り十秒!』


アナは無線で作戦エリアに居る隊員にミサイルが来る事を伝えた。


『5…4…3…2…1…着弾!』


弾道ミサイルは巨大ソラスに着弾。凄まじい大爆発が巨大ソラスを襲う。






~時也視点~


「よっしゃぁ!」


俺はつい喜びを挙げた。流石の巨大ソラスでもアイツには勝てないだろ!


『こちら本部。状況を報告しろ。』


「正司。爆発範囲には煙が上がって良く見えない。」


『こちら速水。油断はできない。追い撃ちが必要だと思う。』


『了解した。本部から各員、手を緩めるな。追い撃ちを仕掛けろ。』


俺は正司の言うとおり、ゴリアス-99、ゴリアス-EMで追い撃ちを仕掛けた。

勿論分厚い皮膚の持ち主でも何度も喰らえば死ぬだろうと確信していた。











そう…












この油断がいけなかった。


「正司。一つ聞きたいが、あいつ倒れる気配無いだろ?」


『追い撃ちを仕掛けろと言った筈だ。攻撃を続けろ。』


俺は追い撃ち続ける。爆発による煙も次第に晴れて行く。






…敵は倒れる気配が無かった。

俺の直感は当たった。






「こちら小隊長。弾薬が無くなった。本部へ帰還する。」


小隊はゴリアス等の長距離射程武器を全弾撃ち尽くして本部へ一時帰還を計った。


『こちら本部。補給の後、再出撃をしろ。』


小隊は装甲車に乗り本部へと帰還しようとしたその時だった。


巨大ソラスが足を動かして突進して来た。


「おい!敵が走って来るぞ!速度を上げろ!」


装甲車は速度を上げて巨大ソラスから逃げようとする。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


機関砲に居る隊員は機銃で巨大ソラスを足止めするが、それは空しく装甲車は大きな足によって潰されてしまい、中に居た人間も葬られてしまう。






~時也視点~


「正司、応答しろ。小隊の連中が装甲車諸共踏み潰された。」


『なんと言う事だ…』


「正司!巡航ミサイルの準備はまだか!」


『後もう少しで準備は終わる!持ち堪えるんだ!』


「長距離レーザーでも散弾ミサイル、爆撃でも構わないから何か投入してくれ!」


俺は左腰に掛けていたAS-DDで奴の口近くを攻撃した。勿論効かないと分かっての攻撃だ。


すると菊乃が仕掛けたZEX-ランチャーが作動し砲台からは無数の弾薬が放たれた。

さらに丁度C70爆弾が仕掛けられた位置でありそこから大爆発が起こった。

しかし、奴は爆発が起こったのが分からなかったかの様な素振りだ。




あいつを倒す方法は無いのか…?


『もう一度…もう一度攻撃を…』


真二はサッカーグレネードDとGランチャーUM-XAで攻撃を仕掛けるが敵はそれを受け付けなかった。


『ならこいつでどうだ!』


結城はスーパー・アシッドガンで分厚い皮膚を溶かそうと攻撃する。

流石の巨大ソラスでもこいつは効かないだろうと、俺は思ってしまう。


だが、それはただ煙を起こすだけであって敵には全く効いていない感じだった。


『これ…何も効いてないじゃない…』


『こちら速水。リバイアサンを十発ほど放ってるけど何もかも効いてない。』


霧香が持つLRSL-ACとサンダー・クラスターα

結衣が持つライサンダーFとゴリアス-SSS

景杜が持つボルケーノ-6WとAS-99D

神楽が持つサイ・ブレードαとXSXプラズマランチャー


全員が持つ武器がどんな攻撃も巨大ソラスに効果が無かった。






どうするんだよ…何も効いてない…


『時也さん。私がマスター・レイピアTで頭を蜂の巣にします。』


「無茶な考えだが…」


『時也さんには言われたくありません!やってやりますよ!』





~玲奈視点~


私はPEユニットで巨大ソラスの顔面目掛けて飛行した。目標は奴の脳。生物の動力部さえ破壊すれば大きなデカブツも動かなくなる。

私は鼻の先に生えている角を掴み、頭上を一瞬だけ拝見した。


「そこなら…」


私は敵の頭上まで飛び乗った。仕留める為に…






私はマスター・レイピアTで奴の頭を攻撃。流石に一度じゃ脳まで辿り着かない。


なら引き金を引き続けるまで!







やがてマスター・レイピアTの残量はゼロになり、私は五回で攻撃の手を止めた。


「…これならどうよ!」


私は流石にもう動かないだろうと察し攻撃を止めた。


ここに居るのは最早限界に近い。


「時也さん。こいつの動く気配はありますか?」


『否、動く気配は全く無い。』


『こちら成海。アイツ倒れる気配無いぞ?』


『巨体であの体勢だから倒れないんだよ。』


『…アイツは死んだ事にも気付いてないんじゃないのか?』


『玲奈。とにかく降りて来い。』


「了解しました。」


私は地上に降りるべく巨大ソラスの頭上から離れた。


『こちら春川。レーダーで敵反応が消失しない。結衣、そっちも確認してくれるか?』


『分かった。敵のジャミングかECMのどちらかな…?』


『…ジャミングとECMは同じじゃ…まぁ良い。肉眼で死んだの確認したから…』


無線では結衣と景杜が何か談笑を叩き合ってる。


「結衣、景杜。談笑してる暇無いでしょ。」






『…あれ?こちら神楽。敵の尻尾が動いたような…』


『…はぁ?』


神楽の一言で結城は疑問に思い込む。


それを察したのか結衣は…







『玲奈!避けて!』


「…え?」


玲奈は何の事なのか分からなかった。





巨大ソラスの右腕が動き、玲奈は裏拳に気付かず直撃を喰らい、少し遠い建物まで飛ばされた。


「玲奈!応答しろ!玲奈!」


「玲奈が…玲奈が…!」


応答がない。玲奈は裏拳を喰らって建物に突っ込んだ。恐らく瓦礫に埋もれているだろう。




巨大ソラスには何やっても効かない。




正司が巡航ミサイルを準備しているが…多分効果が無いだろう。



倒す方法はもう何も無い。









「よくも…よくも仲間を!」


不味い!

屋上に居た瑠璃華がPEユニットを作動させて巨大ソラス目掛けて飛行した。







「避けろ!避けるんだ瑠璃華!」


巨大ソラスの左手は瑠璃華に目掛けて迫って来る。だが、彼女は避ける事無く手の平に覆われてしまう。


『くそっ…左手首を攻撃して瑠璃華を手放す。霧香、手伝ってくれ!』

『分かった。瑠璃華さん…待っててください。』

晴斗と霧香はレーザー砲で巨大ソラスの左手首を攻撃した。





このままだと瑠璃華が危ない…





これは一刻の猶予も許されない。


何としても彼女を助けないと…





to be countinue