質問内容 市内公共施設の再編計画である、久喜市公共施設個別計画が本年3月に発表され、再編に向けた動きが進行している。今年度の経緯を見ても本計画に関して関係者間での調整不足は明らかであり、今後、この計画に沿って公共施設の再編を進めることが出来るのか懸念がある。全てが計画通りに進行するものでは無いにせよ、早々に進行計画が二転三転している現状は、計画そのものの信ぴょう性を疑わせる。また、計画内で示されているコスト試算も具体性、現実性を欠く部分がある。今一度計画を精査する必要があるように感じる。そこで以下伺う。 (1)集会所等の譲渡交渉が難航、障がい者通所施設の指定管理契約延長等、早くも計画の軌道から外れている。(「案」の段階を含めると、中央幼稚園に関しても軌道修正があった)この状況を踏まえると、調整不足は明らかであり、計画通りに公共施設の再編が進行出来るとは思えない。目的が不明確なまま早々に「立ち止まり」が生じる状況は、関係者の信頼を失うだけではなく、計画の実行に際して恣意性が介入する可能性を高める。今一度、実現の可能性を考慮して計画を抜本的に見直すべきではないか。市の見解を伺う。 (2)計画内では、このまま久喜市の公共施設を維持した場合の2055年までのコスト(以下、Aパターン)を約1,515億、個別施設計画通りに再編した場合のコスト(以下Bパターン)を約903億円と示している。Aパターンでは築30年以上経過した施設で、大規模改修等が未実施の場合に、今後大規模改修等を行う前提で「大規模改修・長寿命化費(以下、大規模改修費)」をカウントしている。また、築60年以上経過した施設の場合は、「建替費」も同様にカウントしている。それらの総額は「積み残し費用」と分類され、計290億円になる。 久喜市の公共施設の約40%は築40年以上経過している。例えば「耐用年数が迫りながら(耐用年数を超過しながら)も、未だ大規模修繕を行っていない施設」の場合、今後、現実的に考えられるのは「建替」か「除却」(集約化を含む)であり、Aパターンが示す、今後35年間の中で「大規模改修」と「建替」の両方を行うという試算は現実的ではない。(仮に耐用年数前後でも、更なる長寿命化を目的に大規模改修を行った場合は、建替の時期が遅れることになるので、大規模修繕と更新を35年の計画内に混在させるのは、やはり現実的ではない) 逆に、例えば新設が示されている新総合複合施設の場合は、計画内の算定式を用いると、大規模改修費だけで約45億円が掛かることになるが、大規模改修費が計上されるタイミングは築後30年(2059年)のため、2055年で区切られた、Bパターンには1円も計上されない。 つまりAパターンの場合は実現可能性を度外視して、「大規模改修費」「建替費」どちらも計上しているのに、Bパターンの場合は「建替費」(もしくは「新築費」)しか計上していないことになる。 以上の理由から、公共施設個別計画が示すコスト比較は、現実に即したものとは言えないと考える。特に290億円分の「積み残し費用」の捉え方は再考の必要があるのではないか。市の見解を伺う。 (3)新庁舎(新総合複合施設に含む)の設置は、特に多額の経費を要する一大プロジェクトである。それにも関わらず「庁舎を移転・新設する場合」「庁舎の隣接地に移転・新設する場合」「現庁舎を使い続ける場合」など、通常行われるべきコスト比較が行われていないことが久喜市議会新総合複合施設対策委員会で明らかになった。コスト比較を行わず、新設ありきで、計画を策定した理由を伺う。また、現時点では新総合複合施設の新築費用は概算で示されているものの、用地費、造成費、備品費等、新築費用以外の費用は示されていない。新築費用以外に、どのような費目の経費が発生すると市は認識しているか。他市事例を基に新築費用以外の経費を概算で算定するべきではないか。市の見解を伺う。 |