アトピーのこと(長文です) | 岸紅子オフィシャルブログ「Holistic Beauty」Powered by Ameba

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先日、娘のアトピーの記事のブログのコメント欄に、


彼のアトピーを心配する女性からの切実なお声をいただきました。


彼を助けたい、あきらめたくない、何かアドバイスを!


という彼女の気持ち、まっすぐで心を打たれました。


彼は幸せ者ですね~。



私は医者じゃないし、診察したりはできません。


でも、どう受け止め、付き合って行けばよいか、


私なりの考えをお話しますね。



アトピーは、ある種のアレルギー反応と言われています。


それは、体外のアレルギー接触や


体内のアレルギー(食物や呼吸)など原因がさまざま。



だから「原因(アレルゲン)が何かを知り、


それを避けることでアレルギー反応は軽減されるはずです。」


というのが、一般的なお答えですが・・・その実、


アトピーの方は(特に成人の場合)何に対しても反応してしまうケースがあり


じゃあ、無菌のクリーンルームで暮らすしかないじゃない?!


というような非現実的な答えしか見いだせないことがままあります。



日常生活をしながらアトピーと付き合うには、


やはり複合的なアプローチが必要だと私は考えています。


1)ダニやカビがアレルゲンの人はとても多いのでまずは環境を清潔にすること

でも、神経質になり過ぎるあまりにストレスになったり、ヘンなアトピー商売に引っかからないようにね。


2)体内からのアプローチ(腸を鍛える)

免疫の最前線である腸に抵抗力があると、食物アレルギーの多くは軽減される、と言われています。

実際、そういう臨床に基づいて多くのプロバイオティクスが研究され製品化もされています。


3)体内アプローチ2(除去食を試してみる)

アトピーが食物アレルギーから来る場合、血液検査でもある程度わかりますが、

実際は血液で調べても皮膚に出るかどうかはわからないので、結局は、

アレルゲンとにらんだ食品を除去してみて、それで改善し、復活して悪化するかを調べます。

5大アレルゲンと言われるのが、乳、卵、小麦、大豆、米。これらのたんぱく質です。

とりあえず、この5つをターゲットにして、ひとつ1週間ずつ

やめてみて復活した時どうなるかを試してみてもいいと思います。

食物アレルギーの多くはたんぱく質です。

たんぱく質を上手に分解できずに体内に取り込んでしまうと、体内のたんぱく質と違うぞ!

とアレルギー反応が出ます。その意味でも、上記の腸の機能の向上は意味があるのです。


4)体表面のバリア機能を高める

外部刺激を体内に持ち込まないようにするために必要なのが、皮膚のバリア機能なのですが、

アトピーの方はアトピックスキンといってかなり表面が乾燥して、ひどい時にはひび割れて、

血がにじんだりもします。

これは、一番外側の角質層が本来の姿ではないことが原因。

それをケアするには、とにかく保湿しかありません。

不全角化といって未熟な細胞が角質層に押し上げられた状態だと、刺激に敏感に反応します。

細胞間脂質が角質細胞の間をセメントのように埋めていなければならないのがスカスカだと、

めくれあがったりするものだから、刺激は皮膚の奥に届き、かゆみを発生させます。

これを防ぐのは、角質層をしっかり潤いで満たすこと。水分も油分もたっぷり与えて、

乾燥した状態を作らないように常に保湿です。

(娘も朝昼晩、事あるごとに乳液やカレンデュラオイルなどで保湿してます)


5)体表面のphを整える

肌表面には腸と同じように細菌が暮らしています。1兆個と言われる表皮常在菌は、

腸内細菌と同じように善玉・悪玉・日和見菌に分かれ、善玉菌が実は、肌のphを

弱酸性に保つのに働いています。

アトピーの肌はアルカリ性に傾き、悪玉菌の黄色ブドウ球菌が多く見つかり、

肌表面の細菌バランスが崩れていることが分かっています。

弱酸性に保たれた肌は、悪玉菌を制することができるのです。

善玉菌(表皮ブドウ球菌)は、主に人が分泌した皮脂をエサに、それを分解して

hpを弱酸性に保ちます。

アトピーの人は体をゴシゴシとボディーソープとナイロンタオルで洗うのをやめて、

石鹸を使わないでぬるめのシャワーで流すくらいの入浴を1週間くらいやってみると

良いかもしれません。善玉君たちのエサである皮脂が根こそぎなくなると、弱酸性に

保ちにくいからです。(娘は1年中ぬるいシャワーだけで、石鹸はお尻くらいにしか使いません)


6)活性酸素を抑える

フリーラジカル、という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

代表的なのが、活性酸素です。活性酸素は何が悪いかというと、電子がひとつ多い状態で

非常に不安定な物質なので、色んなものにくっつきやすいんですね。

体内体表でそれが存在すると、色んなものにくっついて酸化という反応になります。

排気ガスやたばこの煙は活性酸素の山。それらが体表面にあると、痒みが出ます。

なので、喫煙は受動も含めてNGです。

また、体内の活性酸素はストレスによって増えます。それを軽減することも治療になるでしょう。

最近では電子付加治療という体表面の活性酸素を還元するための療法もあります。

ただし、効く効かないは個人差があるみたいなので、慎重に選んでください。

(娘の場合は結構痒みに効いた気がします。「電子付加治療」で検索してみてください)


7)必要な時はステロイドを塗る

ステロイドはとても取り扱いが難しい薬です。でも、急場をしのぐのには抜群の効果があります。

皮膚は、一度悪化させてしまうと、治癒しても何度も繰り返す傾向があります。

(記憶があるんじゃないかと言われているほどです)

それに、あんまり進むと生活のQOLが著しく下がってしまします。

塗るならば、ちゃんと塗る。で、しっかりキレイに直す。で、常用は避ける、というスタンスが

ステロイドとの正しい付き合い方です。

一回症状が出なくなっている隙に、バリア機能を高めたり環境整備をしたり腸を鍛えたり

改善策を矢継ぎ早に行って、体自体の治癒能力を底上げするのがポイントです。

ステロイドだけに頼る、どんなに悪化してもステロイドだけには頼らない、

その両方ともがリアルではないと思います。

それこそ、ホリスティックな考え方が必要です。

西洋医学も、自然療法や食事療法といったセルフケアも取り入れて、

相乗効果を得られるようにしていけばよいと思います。


以上が、私の経験から得たアトピーとの付き合い方です。

娘はこういった様々な工夫を通じて、極度の食物アレルギーで重度のアトピー

という診断にも関わらず、見た目にはアトピーちゃんには見えないほど改善しました。

いまではほとんどステロイドも使いません。

もちろん、幼児と成人では話が違うとは思いますが、人間の体の構造は変わりません。

この話がアトピーに悩む皆さんのお力に少しでもなれれば幸いです。