時の流れに身を任せ | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社

ごきげんよう!

この度母君役を務めました、筒井です。


なんと11年ぶりとなる曾我物語の再演、いかがだったでしょうか?

私は11年前はまだキシャに入団して2公演目で、それはもう初々しかったような、そうでもなかったような……というかぶっちゃけそんな昔のことは覚えてないような……


とはいえ、今回自分でも驚いたのは、意外にも11年前の台詞を覚えているということ。

母君の台詞は11年前から多少の改稿があったのですが、シーン練習中に勢いでうっかり改稿前の台詞を言ってしまうことが度々あり、「身体は覚えてるもんだなぁ……」と妙に感動したものです。



キャラクターについてですが、母君は大抵は泣いてるか怒ってるかだったので、感情の発露という意味では役作りしやすかった気がします。

あと私結構母親役やること多いんですよね、地味に。笑


ソワレでは、舞台裏から息子たちが母を慕って一生懸命掃除したり、手紙を書いたりして、覚悟を決めて死地に向かう姿を見て心を動かされ、その気持ちを素直にラストの場面で悲しみに変換することができました。

涙の一つも流してやろうと思って臨みはしたものの、まさかあんなに号泣することになるとは思わず……(多分同じシーンにいた共演者しか気付かなかっただろうけど実はめっちゃ号泣してました。)


これまではどちらかといえば自分の中で感情を練り上げて、職人的な感じで演技を作り上げることが多かったのですが、今回は劇中の素直な心の動きや相手役からの感情をストレートに受け取ることで演技につなげることができ、一つ新しい境地に立てたような気がしました。


あとシンプルに、11年前に演じた役にこれだけの時間を経て再挑戦できたのが嬉しかったですね。

そして願わくば10年後も、舞台に立ち続けられていたなら幸せですね。



さて、最後になりましたが、今回も素晴らしい舞台を作り上げてくれたスタッフの皆さま、本当にありがとうございました!いつも頼りにしてます!!


そして、会場まで足を運んでくださった皆様と、応援してくださったすべての皆様に、心から感謝を申し上げます。


Twitterできしゃ古典閑話なる企画も実施していますので、そちらもぜひ、聴きに来てくださいね!


引き続き応援していただければ嬉しい限りです。

また劇場で皆様とお会いできることを祈りつつ……


ごきげんよう!