作・演出と、役者としては犬塚信乃+αをやっていました千野です。
八犬伝シリーズ3作目、お楽しみいただけたでしょうか。
このシリーズでは毎回言っているのですが、八犬伝は原作が面白いので、劇作家としては本当に楽です。
もうね、そのまんま書けばいいだけですから笑
だからもしこのお話を楽しんでいただけたとしたら、100%馬琴先生のお力ゆえです!
そして演出としてもですね、もうメンバーのほとんどがこのシリーズに慣れきっているので笑、こちらも楽で。
なんだか本当に気楽に楽しくやらせてもらいました。
ただ、これは長編あるあるですが、後半になっていけばいくほどマイナーなエピソードになるもの(だって途中で挫折する人が多いから!)。
ここから先は劇作としても演出としても、しっかり勉強して作り込んでいかなきゃいけないなぁと気を引き締めているところです!
というわけで、あと数作(何作かは言わない笑)、ぜひ最後までお付き合いいただければと思います。
役者としては、ですが。
犬塚信乃はキャラとしての見せ場が前半に偏っている子なので、今回はもうなーんにもなかったですね!
もともとそんなに個性の強い子ではなくて、それが前半ではいかにも主人公キャラ!という感じだったのですが、見せ場がないとただの地味な子ですね笑
ただ、要所要所で発言が物騒(盗賊を拷問…?)。やることも実は過激(単独で城を焼き討ち…??)。
前作でも刀が盗まれそうになったとき犯人を普通に殺そうとしてたわけで、信乃くんああ見えて喧嘩っ早いんですよね。
(照明家T氏には前作ぐらいから「信乃くんサイコパスですよね」って言われてました。バレてた。さすが)
そういうところも実は気に入ってまして、ただそれが前面に出すぎないように、「いい子」のオブラートで包みつつ、でもオブラートなんで気づく人は気づいちゃうかな、ぐらいのセンを狙ってみた次第です。
とはいえ信乃くんの出番はそんなに多くないので、あとはいろんなモブとして遊んでいました。
調子乗りのヤンキー磯九郎、箙様の下僕メガネ稲戸、スケベが命取りの善悪平……あれ、ロクなヤツいないな!?
ちなみに過去2作含めて私が演じるモブは100%死んでたんですが(しかもだいたい小文吾がらみで)、今回、稲戸さんで初めて生還しました。ちなみに私の中で彼はわりとカッコいいキャラのつもりだったんですが、そしてなんならカッコよくなり過ぎない微妙なところを密かに狙ってたんですが笑、誰にも何も言われなくてちょっと悲しいです。いや、そんな記憶に残るようなキャラではないのだけれど……。
ともあれ信乃くんと違ってモブたちは一作の一瞬だけなので、なんだか逆に愛おしいものだったりします。
さてさて、あいかわらず書きすぎていますかね。
ちょっとずつ、ちょっとずつ進んできたこのシリーズ。
次はいよいよ親兵衛編、からの、八犬士具足です。関東管領戦の直前までいきたいなぁ、いけるかなぁ……?
ぜひ待っていただけると嬉しいです。
そして、次回公演は7月、『曾我物語』です。
ひさびさのせんがわ劇場での本公演。
ぜひぜひ楽しみにしていてください。
では、せんがわ劇場でお会いしましょう!
2022.1.27 千野裕子