ギフトへの想い | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社
広沢の入道役を演じましたひがしです。
この度は「夜の寝覚」にご来場いただき、誠にありがとうございました。

ということで恒例の御礼ブログでございます。
今回は娘を溺愛する父親役ということで、演出家からは「威厳をなくせ、強さとか要らない」などと散々言われ、ひたすら人のよさやら娘を思って煩悶する様やら、普段中々演じる機会のない面を追求させていただきました。

お声掛けいただいた方達からも「いつもと違って良い人でしたね」とか「今までの役で一番良かったっす」などと概ねご好評をいただけて何よりです。

が、それは中の君から見れば良い人なのであって大君から見れば「この世について絶望する要素・第○番」みたいな人ですよね。うん、本当に大君には申し訳ない…!陳謝。
でもしょうがないんですよ、と謝罪した舌の根が乾かぬ内から始まる言い訳タイム。
「中の君は我が娘と思えぬほどの美しさだ」と劇中でも言っておりますが、「鳶が鷹を生んだ」というか「自分と妻からこんな子が生まれてくるはずがない」というか、自分の中では中の君は神仏からの授かり物のような存在として接しておりました。自分と他の子ども達は天から降りてきた存在をもてなすホストファミリーみたいなもんです。
なので家庭内の序列としては中の君>>>越えられない壁>>>(自分も含めた)それ以外なのであって、神仏から授かった中の君を幸せにするのが一家の責務なのであります。
にも関わらず大君も左衛門督も私怨に囚われて役目を放棄するとは何と嘆かわしい、頼りになるの宰相しかおらんやん…などと考えていた入道でありましたので、それはもう父親がそんな考えを持って生きていると認識してるわけがない子ども達と話が通じないのも無理はないですよね。
宰相とも中の君に優しく接してるから分かり合えてる(ように見える)だけで、多分意思疎通は出来てないです。

釈明すればするほど入道は良い人だったのか疑問に思われてしまいそうなので言い訳はここまでにしておいて。
今回は夫婦二人で出演するということで、娘を頻繁に稽古場に連れて行くことになりました。
それにより子連れで帝と話す中宮とか、嘆く中の君、そしてその周りを元気に走り回る幼児、などという愉快な光景が繰り広げられることになり、関係者の皆様には多大なるご迷惑をお掛けしました。あと娘にも色々我慢をさせてしまって申し訳ないと思いつつ、割と楽しそうに過ごしてくれてもいるのでそれはありがたいことだなぁとも。引き続きよろしく…!


次回は久しぶりの絵空箱、気軽に聞いていただけるスタイルでお送りする八犬伝ということで、八犬伝を知っている人も知らない人も楽しめる公演になると思います!ぜひお越しください!