どうしても幸せみたいです。 | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社
 
こんにちは。
宮木・袖を演じさせていただきました、かんです♪
 
この度は『雨月物語の話がしたい!』に
ご来場いただき
誠に誠に、ありがとうございました!
1月の真冬に怪談という、
ただでさえ寒いのに、さらに体温下げちゃおう猫キラーン
という攻めた公演でしたが
皆さま、お楽しみ…
否、ゾッとしていただけましたでしょうか?
 
他の出演者たちも書いているように、
今回は今までにないくらい、
皆様との距離が近い空間。
至近距離で見ていただけたので、
より役者の想いや、装飾のこだわりを
見ていただけたのではないでしょうか?
 
私自身、顔を上げればすぐ皆様のお顔という空間に
やばい!とっても緊張!!!!!!!!
…するかと思っていたのですが、
始まってしまうと、楽しくて仕方なかったです。笑
やっぱり舞台は、観に来てくださる皆様があってこそ
こうやって成り立つのだなあと、
あらためて感じた公演でした。
 
さてさて、
いつの間にか幸薄担当と言われるようになり、
完全に私のあたり役!とふられた宮木ですが、
個人的になぜ「幸薄」と言われるのか、
今でも疑問です。
 
公演前、美容院に行った時の話です。
美容師さんに何の役やるんですか?と聞かれたので
「帰ってこない夫待ってたら死ぬ役です」
と答えました。
「それは…まあ…災難な役ですね」
と苦笑いで言われました。だよね。
 
…ね。災難な役ですよね?
話の中に登場した翁も
「かわいそうな女」って言ってるし、
なんで「幸薄」といわれるのでしょうね?
なんでちょっと幸せあるの?
もうさ、一思いに「不幸」って
言ってくれればいいのにね!
 
待って待って、散々怖い思いして、
でも結局報われずに死んじゃう。
全面的に不幸じゃない?不幸100%じゃない?
どこにちょっとでも幸せあるのよ。
かすかだけど幸せとか、いいよその慰めいらないよ。
 
今でも正直よくわかりませんが、
でも、ただね、勝四郎が墓の前で
手を合わせてくれた瞬間、
何故なんだか、泣いてしまいました。
 
会いたかったの。
ずっと会いたくて会いたくてたまらなくて、
死んでからもずっと勝四郎の姿を追い求めて、
それがやっと私の前に来て、私を見てくれた。
私の名前を呼んでくれて、私の想いを知ってくれた。
それがどうしようもなく嬉しくてたまらなくて、
静かに、実は泣いてました。
 
誰かを信じるって、裏切るよりも時に残酷です。
稽古でも言われたけど、他の人みたいに逃げ出したり
最悪、言い寄ってきた嫌な人たちに靡いちゃった方が
実は幸せだったかもしれません。ダメだけどね。
 
でも宮木はそれを選ぶことはなく。

優しい翁が
「どれだけ辛かっただろうね…」
って言ってくれたけど、
そうだそうだー!
どれだけつらかったと思ってんだ、ばか夫!
 
でも、いつかは報われる根拠のない自信があって、
その自信は正しかったと、
どんな形でも感じることができて、
これが、薄いながらも、宮木にとっては最高の
幸せだったのかもしれません。
私が演じて感じただけですけどね。
 
なんか宮木だけでこんなに書いちゃいましたね。
袖は、正直なにも考えずに、
ただただね、楽しみました。笑
宮木との演じ分けは意識しましたけどね?
でも袖は、自分の意思は持たないようにしました。
 
こう言っちゃうといろいろ誤解されそうですが、
袖は、メインの2人に流されて存在する子です。
イケメンクズ(※褒め言葉)と恋仲になり、
なんか引き取ってくれたよ~
棚ぼた的な感じで二人で住めるよ~ってなってたら、
抵抗する間もなく、磯良さまに呪い殺されて。
 
一つ欲を言えば磯良の恨みを具現化させて、
恐怖を生み出す最初のきっかけとして在れたなら
袖としては、一番嬉しいことですね♪
でも呪い殺されるの、楽しかったですほんと。
 
 
 
さて、キシャ公式twitterでは公開しましたが、
実は、この公演の1週間あとは結婚式でした。
 
いろんな意味で記念すべき舞台だったのですが
そんな舞台を観に来てくださった皆様に、
心からの感謝を!!!
 
中身も外もかんとしての舞台、
皆さまと過ごすことができて、嬉しかったです^^*
 
 
それではまた、劇場でお会いしましょうね黄緑桃
 
かん