世の幸せが、私の幸せでした。 | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社


この度は、『さらぬわかれ』~伊勢物語、以前~にご来場いただき、
誠に、誠に、誠に、ありがとうございました!
橘嘉智子を演じさせていただきました、かんです。


3連休、そして海の日という、
ひたすら遠出したくなる(私だけ?)期間に
たくさんの方にいらしていただけたこと、
感謝の気持ちでいっぱいです!



さて、今回演じさせていただいた嘉智子様。
歴史好きな方はお気づきの方もいるかもしれない、
実際年齢、60歳近くのおば様です。


スタッフさんからも「そうは見えない…」と
言われまくっていたので、先に謝ります。
年齢について、見ないふりしてすみませんでした。笑


しかし…。。。年齢のこともあってでしょうか。
嘉智子様は、最初に本公演の台本を読んだ時、
あわない、出来ない、ムリ!ってなった方でした。
年を経たことで生まれる、貫禄というか
落ち着いていつつも、優雅で気品の溢れる様は
果たして、どうやって出したら良いのかと。
嘉智子様からすれば、私など半人前の小娘に見えるでしょう?


素敵な衣装にかなり助けてもらいましたが、
相手を惹き付けるオーラをまとった女性になるよう
私なりに、いろいろ工夫したつもりです。
が、さてさて、皆様の目には、
ちゃんと品格のある大后に映ったでしょうか。


ちなみに、毎回どの役を演じても
それなりに幸せ…、いやとっても幸せなんですが、
キシャの先輩方、最近は後輩ちゃんにも
「幸薄担当」と言われまくった結果(不本意)
はて。幸せとはなんぞや。という疑問がうまれ、
ちょっくら俗世離れて考えようかな、とか思ってるんですが、
今回、嘉智子様にとっての幸せは、
世が平穏であること、要するに皆が幸せであること、
だったのではないかな、なんて思います。


けれど、今回の舞台で痛いほどわかりましたが、
誰かの幸せは、誰かの犠牲のうえで成り立ってるんですね。
悲しいけれど、誰かが笑うには、誰かは泣かなきゃいけない。


全員が幸せであるよう、導きたかったです。
ので、親王の期待を裏切った瞬間の心の痛さたるや。
偽りの言の葉をあやつり、もうみんな幸せだと
信じこませてくれればよかったものを。
数えきれない犠牲者、ごめんね。60人も流して、ごめんね。
というか、誰よりもまず、逸勢、ごめんね。


でも、それでも、大きな争いは避けたかったんです。
もっともっとたくさんの人が泣くことになるから。
一軒、家燃やしちゃったけどね、ごめんね。


実際の嘉智子様が、こんなことに考えていたかはわかりませんが、
彼女は本当に、気高くてあたたかい女性だなあと感じます。
平穏を守るという、自らの信念がしっかりしていて、
何があっても、それを曲げることはないんでしょうね。
今回演じて、自分よりも誰かの幸せを思う、素敵な嘉智子様に
ちょっとは近づけたかな?近づけてたらいいな!



それにしても、今回の公演は、
私生活の方でバタバタバタバタ落ち着かなくて、
稽古場に行けた回数、片手くらいなんじゃないかと。
めっちゃくちゃ、ごめんなさいいい!!!


毎度のことながら、キシャの皆さまはもちろん、
たくさんの人に助けられて、舞台に立ってます。。。


演技のアドバイスしてくれて、 煌びやかな舞台作ってくれて、
美しい衣装を着せてくれて、素敵な光をあててくれて、
演じる上で気分をのせてくれる音楽流してくれて、
そして、わざわざ舞台を観るために足を運んでくれて、
今回も、本当に本当に本当に!ありがとうございました!


最後に言うけど、今回も、幸せでしたよ!!!!!!
幸薄くないもん、幸せだもん。かんでした照れキラキラ