宴は終わらない | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社


ごきげんよう。

この度第一幕で王命婦、第二幕で玉鬘を演じました筒井です。

源氏物語公演を観に来てくださった皆様、本当にありがとうございました!!また、この公演を支えてくださったすべての皆様に、この場を借りて心から御礼を申し上げます。



三幕という長丁場でしたが、全ての幕にお付き合いいただいたお客様も多く、本当に嬉しく思っています。役者もスタッフもフルマラソンばりのスタミナ勝負の中、無事走り抜けることができてホッといたしました。


え?
一幕目と二幕目しか出てないじゃないかって?

いえいえ、実は今回私が一番多忙だったのは何を隠そう三幕目でした。

下手側の御簾を上げ下げしたり、めくり上げたり、花瓶の花を活け替えたり、文机を出し入れしたり、スタンバってる朱雀院の流し目攻撃に笑いをこらえたり……。ええ、それはもう大忙しでした。

その代わりに、光源氏に押し倒される女三宮とか柏木に押し倒される女三宮とか麿にオセロされる光源氏とかを特等席で観られたわけですけれど。笑


役者としては、第一幕の命婦と第二幕の玉鬘という全くタイプの違うキャラクターを同時に稽古するのが結構楽しかったです。(おかげでキャラが迷走したりもしましたが……。)


命婦は公式裏設定で光源氏の愛人だったので、玉鬘と併せると光源氏に迫られることの多い役でした。それがどうしたと言われそうですが、実は並み居るキシャの女優陣の中で、私は今まで一度も千野裕子扮する男役に言い寄られたことがないという稀有な役者だったのです。いざ相手役をやってみれば、稽古場で無駄にドキドキさせられることも多く、

「玉鬘、(源氏とのシーン)やっとく?」

「いえ、(心臓に悪いんで)今日は大丈夫です」

という会話があったとかなかったとか。

まぁ、そんなこと絶対本人には言いませんけどね。



ちなみに命婦は藤壺宮との絡みが一番多かったのですが、藤壺宮の臨終シーンは3ステージともガチ泣きでした。しまいには藤壺宮の最期の台詞を聞くだけで泣けるパブロフの犬と化していました。舞台上でガチ泣きしたのも初めてだったので、いろいろと初体験の多い公演でしたね。役者としてはとにかく楽しく演じさせていただきました!


早いもので、劇団の10周年イヤーも無事閉幕を迎え、これからは次の10年を見据えて、ますますこだわりのたくさん詰まった、楽しくてちょいとタメになる劇をお届けしていきたいと思います。またお付き合いいただければ、こんなに嬉しいことはありません。

これからもどうぞよろしくお願いいたします!



また皆様と劇場でお会いできることを心待ちにしつつ……。


それでは、本日はこの辺で。

ごきげんよう!