「源氏物語」来場御礼! | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社
 第1幕:頭中将、第2幕:内大臣を演じました、大野です。
そうです。当劇団主催 大野の、夫です。
 今回、人生初の演劇出演ということで、正直、不安でいっぱいでしたが、
いざ当日を迎えてみると、たくさんのお客様にご来場いただくことができ、
事前の心配もいつの間にか消えて、楽しんで2日間の公演に臨めました。
そして、アンケートやTwitterでもいろいろなコメントを頂戴し、
多くの方に楽しんでいただけたことを何より嬉しく思っております。頑張って良かった…!

 さて、せっかくのブログ更新なので、今回私が演じた頭中将と内大臣について、私なりに感じていたことをいくつか。(直衣のヒラヒラについて思うことや、舞扇の扱い方、あの座り方のせいで足が痛い…など、細かい話もたくさんありますが、それはまた別の機会があれば…)

 頭中将は若い光源氏のお兄さん的存在として、とにかく源氏のことが好きな人でした。
女や妻のことについていろいろアドバイスしてみたり、何か辛いことがあったときにはすかさず駆けつけたり…。須磨まで出向いた時にはちょっとやりすぎた感じもしましたが、しばらく会えていない源氏が心配で心配で…。
 でもその愛みたいなものを全面に出すのは気恥ずかしさもあるし、あくまで「良きお兄さんでありたい」ということで、どこか飄々として、やや軽い感じを出すことで、年上としての余裕/威厳を示したかったのです。

 しかし、第1幕の最後あたり、そして第2幕では状況が変わってきます。本当は源氏のライバルとして、もっと活躍していたいのに、なにかにつけて上手くいかないのです。
そういえば、冒頭から雲行きが怪しかった。"輝日宮"の冒頭では私のアドバイスに聞き入っていた光源氏が、”玉鬘”冒頭では自分の意見だけ言って立ち去る。…あれれ? 源氏の成長が感じられて嬉しい反面、「お兄さん」としてはピンチです。「わけのわからん男だ。」などと強がってみましたが、内心はドキドキでした。
 そして、年を取ったからか、内大臣は怒りも悲しみも分かりやすく表に出します。怒鳴ってみたり、しょんぼりしたり、源氏が来ると分かったらニヤニヤしたり…。第2幕の最後では、めんどくさいおっさん、みたいな評価をされてましたが、頭中将の頃のスマートさみたいなものこそなくなったものの、演じている私自身はこういう内大臣の感情の起伏が非常に面白く、やっていて楽しいところでした。千年前の平安貴族にもこんなイライラ・モヤモヤがあったかと思うと、急に親近感が湧いてきます。劇って面白いですね!


 そんな、劇の面白さにも改めて気づけた本公演「源氏物語」、ご来場いただいたお客様、そしてスタッフ陣、ブディストホールの方々…たくさんの人たちのおかげで無事終演までやりきることが出来ました。改めまして、本当にありがとうございます!!

劇団は次の10年20年に向けて引き続き挑戦を続けて参ります。
ぜひ皆様今後とも何卒よろしくお願い致します。

まずは来年夏の伊勢物語!ご期待ください!
会場で皆様にお会い出来ることを団員一同、楽しみにしております!!



大野ともや