あっという間に『源氏物語』世界を生きた二日間が終わってしまい、夢のような心地がしております。
一幕「輝日宮」で少納言、三幕「若菜」で女三宮を演じさせていただきました、新田です。
終演後、今までになく多くの方から感想をいただき、『源氏物語』を愛している方にも、よく知らなかったという方にも楽しんでいただけようで、安心とともにとてもうれしく思っております。
かくいう私も源氏ファンなので、こう、好きなものを楽しかったといっていただけるのは、幸せなものです。なので、よろしければもっと言ってやってください(笑)
役柄としては、一幕と三幕で180度違うというか、次元が違うキャラクターを演じさせていただきましたが、どちらの人生も楽しくやらせていただきました。
少納言は幸せな人で、若紫はかわいいし、光る君は優しくてかっこいいし、惟光殿は頼りになるしで、大変恵まれた環境で過ごさせていただきました。
「雀の子を~」で出てくる若紫を見るベストポジションは、源氏の立ち位置でも、客席でもなく、私の位置でした。申し訳ありません。
一方、女三宮の方なのですが、密通されたり、源氏にねちねち言われたり、小侍従に怒られたりと忙しい人生だったのですが、中の演じているものの感じ方としては、女三宮は表にはあまり出ませんが、わりと物事をおっとりストレートに感じる人だったので、複雑な心の動きはなく、すっきりと演じやすかったです。
だいたい、柏木は分けわからんし、小侍従はなんか怒って怖いし、ねちねち言う源氏には最終的にはイライラして過ごしていましたが、最後の死にそうな柏木に手紙を書くところは、適当に書いてやろうと思っていたのに、隣で小侍従がしくしく泣くので、なんだか柏木が「あはれ」に思えてきて和歌も返してしまったというのが、演じていた心の動きとして面白かったです。(どう見えていたかは、いろいろあるとは思うのですが(汗)、中の人としては)
あと、女三宮は見た目のインパクトも(パパほどではないですが)強いキャラだったので、見ている方に受け入れていただけるかな~とちょっと不安だったのですが、おおむね受け入れていただけたようなのも安心いたしました(笑)
そのほか、いろいろ自分のこと以外でも、お話ししたい裏話、こぼれ話もあるのですが、長くなってしまいそうなので(笑)、次の稽古が始まるまでの間、ちょろちょろツイッターでつぶやいていこうかな~なんて、勝手に思っております。
本公演は、本当に、多くの方々に支えられて成立したと思っています。
素敵な寝殿造りを作って下さった舞台美術さん。
蛍光らせてなんていう無理難題を解決してくれた照明さん。
猫の声では大変お世話になり、出家するシーンにナイスな選曲をしてくださった音響さん。
冒頭映像や舞台中の和歌の訳を一手に引き受けてくださった映像さん。
小道具さん、衣装さん、そして制作さんと、あげればきりのないスタッフさんの縁の下の力によって、無事に幕が上がって、下りました。
あと、個人的に体調が今一つだった中、多くの方に気にかけていただき、そのおかげで三幕無事に演じきれたことは、感謝してもしきれません。
そして何より、三連休の中いらしてくださったお客様!
三幕という長丁場に付き合っていただいた方も多くいて、本当に、ありがたさに頭が上がりません。心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました!
今回の公演が、『源氏物語』をもっともっと好きになる、そんな一助となっていたなら、本当にそんな嬉しいことはありません。また、これをきっかけに、他の古典作品にも興味をもっていただき、読んでみたり、うちの公演をまた見に来たり(笑)していただければ、幸いです。
本当に本当に、ご来場ありがとうございました!!!