ありがとうを、皆様へ。 | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社

......今回の舞台の稽古が始まったのはそれはそれは暑いあついある夏の日だったと記憶しておりますが気付けば雛祭りも終わっておりました、つまり私を帰宅不能に陥れたあの大雪および舞台本番からは既に三週間が経過しようとしているようです。光陰矢の如し。


遅れ馳せながら、『陸奥話記』にお越しくださった皆様、ありがとうございます。千世童子役を務めさせて頂きました小坪です。
今回はご縁がありまして客演という形でキシャさんに参加させて頂く形となりました、前公演のアンケートに『ポンコツで宜しければ使ってやってください』と半ばおふざけの勢いで記入したら本当に舞台に立つことになるとは。人生摩訶不思議。謝謝。

私が演じた『千世童子』は蝦夷の誇りと熱さを受け継ぎつつ中々に頭も切れる子でしたが、それでもやはり『子供』。その千世童子の子供らしさと成長を演じるのが私の一番の課題であったように思います。
なんせ話の始まりでは千世はまだ産まれたばかりの赤子ですから母上の腕の中ですよすよ。初登場の時も十にも満たない少年。理屈や能力を気にしない真っ直ぐな感情や、難しい言葉を真似て必死に周りの大人達と同じ位置に立とうとする姿、年相応の脆さ。
そういった『子供らしさ』を出していくのは童心をすっかりさっぱり忘れきっていた私には中々に苦行、笑。幼いってなんだ、ぶりっ子ってなんだ、私にあんな時代はあったのか......等等、しばらく頭を抱えておりました。ヒエー
最終的には十三歳になり、母の死に涙しながらも「父上は蝦夷の長ですぞ!」と父を叱責する場面では、最初は「爺さまァ」なんて駄々こねしていた千世童子の成長をお見せできたのではないかと思います。私が十三の時はただのスカポンタンだったというのに。今もですが。

また、今回は殺陣もやらせて頂いたのですが、こちらも難航に継ぐ難航。自分が殺陣を出来ることに大興奮していたものの、脳味噌の出来がアレだったもので刀の位置や足の角度が中々直らず特に相手役の清原ゲス武則氏には刀を当ててしまったり足元が滑ったりと、本番でも多大なるご迷惑をお掛けしました。妄言多謝。


至らぬ所も多々ありましたが、千世童子として、劇団の一員として、『陸奥話記』に関わることが出来たことをとても嬉しく思います。それはそれは充実した半年間でした、これからは日曜日を迎える度に少しだけ寂しくなるのでしょう。

......なんだか堅苦しい上に長くなってしまいました。言いたいことは全部舞台上で出してきたゼ!とか言ってみたいですね。まだ言い足りない。


最後に。
お声掛けくださった千野先生をはじめ劇団員、客演、スタッフの皆様。劇場にお越しくださった皆様。歴史上の千世童子。『陸奥話記』に関わった全ての方に、心より御礼申し上げます。

ありがとうございました!!!




皆が幸せに、共に。