幸せな終わり | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社
ご来場くださった皆様、携わってくださった皆様、残念ながら来られないと無念がってくださった皆様も(笑)
本当にありがとうございました。華陽公主だったものです。

終演からおよそ2週間が経ちました。
公演後は私生活の方がバタバタしており余韻に浸っている場合ではなかったのですが、
でも華陽とはちゃんとお別れしたいと思って、とりあえず睡眠時間を削りってパステルピンクのペディキュアをしてみたりしてました。
なんだかファンシーになった足の爪をみてたら、華陽だった時間は終わっちゃったんだなーと実感して淋しくなったけど
その後、手の方もネイルをしたら、ようやくスルっとさようならが出来たような気がしました。
華陽でいた約半年間、私が一度もネイルしていなかったことに気づいていた団員はいたのかなー。
ムリ!絶対やめた方がいい!と何度も言ったにも関わらず、琴を生演奏する事になった本公演。
楽器を弾くときはネイルを落とせと教えられてきた20云年間に背けずに久々に生爪で過ごした半年でした。
華陽もきっとそうだったんだろうな。琴を弾くことを生きることと同じに決めてた彼女は、爪を染めることも、指輪も腕輪(笑)もきっとしてない。
皇后さまの華麗な美しさとは別の、清廉な美しさのある人。
例えるなら皇后さまは大輪の牡丹(牡丹を氏忠に貰うだけあって笑)、華陽は百合、神奈備は薄紅撫子とか、そういう。
それぞれに違う美しさを持つヒロインたち、というのは正直大変ハードルが高かったです。
華陽公主は月のような女って。何なのなんの夢物語なのよ定家!と悪態つくこと暫し。
稽古は迷走に瞑想…違う迷走!を重ね、デレが足りないデレが足りないと言い続ける演出家と揉め(笑)
というかツンデレって意識してやったらそれもはやツンデレじゃないから!と役者にあるまじきことを言いたくなること言いたくなること。
結果本番2週間前までデレろ!と言われ続けたので、1週間前にエイヤーとデレ全面に切り替えたら流石に何すんだ!と怒られました。今やいい思い出です(笑)
そんな危機を乗り越えてゲネでようやくたどり着いた、演出家が納得できる華陽のキャラクターが、皆様にお見せできた彼女でした。
本当に間に合って安心したー…。出来の悪い子でごめんよぅ…。
色んなジレンマを抱えて不安を抱えての華陽役でしたが、見にいらして下さったお客様がアンケートに”華陽公主が綺麗でした”と書いてくださったことが、私の財産です。
よかった少しでも美人の雰囲気出せて(笑)雰囲気美人万歳!

例によって役者やりつつの衣装チーフ兼デザインも、今回はやりたいことを詰め込んだ形で大満足でした。
私が見たかったものを体力削りつつ作り込んでくれた主宰と絵師には本当に感謝しています。あ、主宰が縫い子で絵師が皇后の冠作ってくれました。
こんなに派手な衣装作れることはこの劇団ではそんなにあることじゃないので、大変楽しかったです。
着こなして見せてくれた役者陣にも本当に心から御礼を言いたいです。幸せだった。
次回作は毛皮もりもり使うんだー楽しみだなー!

色んな意味で挑戦だった本公演、支えてくださった多くの皆様に感謝感謝です。
当初こそ無理だって言いましたが、久々に琴を弾く機会を与えてくれた演出家にも感謝してます。やっぱり好きだなー琴。
次回作はまた全然違うテイストの作品ですが、持てる力を尽くすことに代わりはありません。
全力で!楽しませていただきます!

じゃ、打ち上げ行ってきまーす(笑)


かなざわれいこ