公演を終えて | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社
この度は『在明の別』をご観劇いただき誠にありがとうございました。
帝/院役を演じました東です。

役どころとしては最高権力者なので非常に自由に振舞わせていただきました。
特に院となった二幕目の自由人ぶりは自分でもどうかと思いましたが、
ご観劇いただいた皆さまの目にどのように映ったかが気になります。
そんな自由な帝ですが、右大将に死ぬ決意をさせ、女院の生きる道を共に歩んでいくという、
登場頻度の割には大事な立ち位置でありますので、要所要所ではきっちり締めなければいけないプレッシャーもありました。
悪い意味での社会人らしさで稽古時間の確保が難しかった筆頭でありますので、女院とのやり取りを楽しみながらも、何とか形になってホッとしているというのが正直なところです。

社会人劇団としては二作目となる今作。
前作と比べ登場人物も公演時間も大幅に増え、越えるべきハードルはダダ上がり。
学生と社会人の違いを前作以上に実感することとなりました。
そのハードルをうまく越えられたのかと問われれば、ハードルをちょいちょい蹴り倒しながらも立ち止まらずに完走したという感じではないか、と思っております。
けれどこの高いハードルは、客様に「見ていただく」事を考えた時には当然越えていなければいけないもの。

そして越えるためには社会人劇団としての活動の量と質、両面を高める必要があると考えています。ハードルを越えきっていない状態で走り続けるわけにもいきません。
今作で実感した事、糧にすべき事は非常に多いです。
次回『曾我物語』を胸を張ってお見せできるよう、演技だけでなく、胸を張ってお見せできる「舞台」を作れるよう、頑張っていきたいと思います。